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64話 ページ16

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放課後の時間も過ぎ去り、空は紅葉色に色付く。



「……さて、今日のところはこの辺りで引き上げましょうか」

「おけ。また明日、アズール氏」

Прощай(さようなら)、アズールくん」



ボードゲーム部も解散し、私とイデアくんは部屋へ戻った。



「そう云えばイデアくん、私の部屋は一体どうなりました?」

「あー………多分3日後位には出来上がってると思うよ」



待たせちゃってごめんね、と眉を八の字に下げるイデアくん。



「いえ、大丈夫ですよ。私は人肌が近くにないとあまり眠れない体質なので、イデアくんに近くで寝て頂けて助かってます」

「な、ならよかったけど…」



……生まれた時からずっとフェーヂャと一緒に寝てたからなぁ。

寒い露西亜(ロシア)も、暖かいヨコハマも、フェーヂャと一緒に居れば何だって平気だった。



「今日の夕飯何食べたいでこざるか?」

「ビーフストロガノフで」

「おけまる」





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──────────



結局、深夜を迎えても男体化のままだった。

イデアくんはネットゲームに夢中。




………ブロットが溜まると引き起こされる、オバブロの本名はオーバーブロットと聞いた。


異能の暴走が引き起こされる理由も様々だ。
ストレスもそう。トラウマを思い出したり、体調を崩したり。

以前私が暴走した理由は、ただの体調不良。
原因不明の高熱に三日三晩魘されていた。


フェーヂャが言うには、一切触れずに半径30(メートル)以内の電子機器たちを乱舞させていたらしい。

乱舞、と云うのはそのままの意味で、宙に浮かせて振り回していたのだった。

異能の威力も変わってしまった。

一度暴走すると、食い止められるのは二つだけ。

時の経過を待つか、太宰くんの『人間失格』を使うかだ。幸いなことに、暴走は一日で治まった為に太宰くんに借りを作ることはなかった。


あれ以降、フェーヂャやゴンチャロフ、ゴーゴリくんからの過保護が上がったような気はするが。



「…………A氏?顔色が悪いですぞ」

「………………少々考え事をしていまして。すみません、もう寝ますね」

「うん。おやすみ」

спокойной ночи(おやすみなさい)



ベッドに身体を潜らせる。
目を閉じれば、案外簡単に夢の世界へと堕ちていった。

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アババババ - 80話の最後のフロイド君の発言で草生えました! (2022年11月19日 23時) (レス) @page32 id: 222bdc0355 (このIDを非表示/違反報告)
あ〜ちゃん(プロフ) - 猫さん» 承認しました!こちらこそよろしくお願いします! (2020年7月23日 21時) (レス) id: 9c71528097 (このIDを非表示/違反報告)
時雨 - あ〜ちゃんさん.......私も好物なので有り難いです......!ぜひ御願いします! (2020年7月23日 21時) (レス) id: fc34ad99ff (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - あ〜ちゃんさん» 柘榴です!よろしくお願いします! (2020年7月23日 18時) (レス) id: f20993b4a3 (このIDを非表示/違反報告)
あ〜ちゃん(プロフ) - 猫さん» OKです!ありがとうございます!! (2020年7月23日 13時) (レス) id: 9c71528097 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:あ〜ちゃん x他1人 | 作成日時:2020年6月29日 0時

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