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52話 ページ4

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人間誰にだって得意不得意はある。

例えば、頭脳戦は得意だが身体が弱いから肉弾戦は出来ない。その逆の人だっているが。


私とフェーヂャは正しくその前者で、探偵社とマフィアvs組合(ギルド)戦の時のように激しく身体がぶつかり合うような戦いは好まずに、勝手に戦っている所を漁夫の利で掻っ攫っていくようなタイプだ。


この学園の体育科目は二科目に別れている。
体育育成と飛行術の二つだ。

体育育成は身体が弱いために見学気味だが、飛行術ならただホウキに乗ればいい。それだけだった。


だけどもそんなに現実は甘くなかった。

誰だって乗れれば苦労はしない。



あれは初めての飛行術の授業の時間。


熱血体育教師のバルガスさんは、どことなく苦手だった。根性論は好きでは無いのだ。


とりあえず彼は 魔力とやる気があるなら飛べる と言っていたからホウキに跨り、その場を跳ねてみた。


結果。

ぐりん、とホウキは180°回って世界は逆さまになる。

逆さまに見えるイデアくんは心配そうにこちらを見つめていた。


その後何度やっても結果は同じ。豚の丸焼きの如く私は逆さまになる。

魔力の調節がどうの、と言っていたがそもそも魔力の調節の仕方がわからないのだ。



そんなこんなで私は居残り決定。
かなり屈辱的な気分だ。


放課後の飛行術居残りメンバーにはアズールくん、イデアくんが体育座りで待機していた。

これでボードゲーム部は飛行術が苦手だというレッテルが貼られるな、と率直な感想を抱く。



「Aさんにも苦手なものはあったんですね」

「ええ。まさか飛行術までもが苦手になるとは思いませんでしたよ」

「A氏の飛び方は何と言うか……その…アズール氏より悲惨なんですぞ………」



一先ずやってみて下さい、とアズールくんは自身のホウキを私に差し出す。

授業の時の同じように跨り、ジャンプし、そして半回転。



「え…………と………………そのまま戻ることって出来そうですか?」



唖然とした顔でアズールくんが言う。
体制を立て直す方法も分からないのだ。


不幸中の幸、地面からの距離はたった30cm程。

足を付けてから手を離し、芝生に寝っ転がってから立ち上がる。



「コツは無いのです?」

「そうですね………魔力の調節ですが、まずは両足を地面に着けた状態で飛んでみましょうか」

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アババババ - 80話の最後のフロイド君の発言で草生えました! (2022年11月19日 23時) (レス) @page32 id: 222bdc0355 (このIDを非表示/違反報告)
あ〜ちゃん(プロフ) - 猫さん» 承認しました!こちらこそよろしくお願いします! (2020年7月23日 21時) (レス) id: 9c71528097 (このIDを非表示/違反報告)
時雨 - あ〜ちゃんさん.......私も好物なので有り難いです......!ぜひ御願いします! (2020年7月23日 21時) (レス) id: fc34ad99ff (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - あ〜ちゃんさん» 柘榴です!よろしくお願いします! (2020年7月23日 18時) (レス) id: f20993b4a3 (このIDを非表示/違反報告)
あ〜ちゃん(プロフ) - 猫さん» OKです!ありがとうございます!! (2020年7月23日 13時) (レス) id: 9c71528097 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:あ〜ちゃん x他1人 | 作成日時:2020年6月29日 0時

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