好き、嫌い、好き (ページ11)

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side亮平

あーあ、あほな照のせいで僕の彩ちゃんが落ち込んじゃったじゃん。

照はいいやつだけど、綺麗すぎる。
まあ初恋が何年も上手くいってるんだからそうなるのが普通なのかもだけど。

僕は好きな女が綺麗である必要はあまり感じないから、女の子なんだからーとか思わないけど……。
あーそうか。
照はアホだから、彩ちゃんの気持ちに気づいてないんだった。
気づいてたらそんなこと言わないもんね。

彩ちゃんってすごいんだ。
小柄で顔も可愛いし、女の子らしい体をしてるから、男性にもモテて来たと思うんだけど、その上を行く性格って言うのかな。
サバサバしてるし、回りよく見てるし。
さっきの館さんとの会話で、あーこれは深く聞いたらダメだなと思ったらサッと離れる。

そんな人なんだよ。

気遣いが上手くて、僕から見たらいい女なんだけどなあ。

｢彩ちゃん、帰りは館さんに送って貰ってね？｣

僕がそう言うと、泣きそうな目で僕を見つめる。
ちょっとドキッとするけど、
そんな顔させるのは照だけなんだろうな。

『いや、方向バラバラだし、いつもの帰り道だから大丈夫だよ？』

彩ちゃん……ほんと男心をわかってない。
館さんの優しい気持ち受け止めてあげてね。

｢彩ちゃん、普段は一緒に帰るってことがないだけでしょ？今日はいるんだからちゃんと甘えてね、館さんと帰るんだよ。分かった？｣

僕が子供に伝えるように言うと、頬を膨らませて、

『むーー……わかったよ……』

なんて言うの。

あーかわいい。

自分のものにしたいのか、ってなると館さんやふっかみたいに思わないけどさ。

でも2人より彩ちゃんの性格わかってるよ。

みんな彩ちゃん諦めてくれたらいいのに。

彩ちゃんが辛くなった時に僕のとこに来たらいい。

それがものすごく先でも、僕のことを選んでくれたらそれでいいんだ。今はね。