結城哲也 × 賭け ページ9
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「……王手」
「む、……参りました」
ある日の練習後、御幸の部屋を借りて哲さんと将棋盤を挟んで正座で向かい合う。
私は哲さんを好きになってから将棋を勉強し始めた程度で経験は浅いのだがそれでも哲さんにはほとんど負けたことが無い。
そんな今日は「負けた方が勝った方の言うことを１つ聞く」という賭け事をつけて勝負をした結果、私が勝った。
「Aは強いな」
「たまたまですよ」
なんて話をしながらも私は心の中で決めていたお願いをどう切り出そうかとドキドキしていた。
「負けた方が勝った方の言うことを聞くという約束だったな…俺は何をすればいい？」
腕を組んだままそう訊ねてくる哲さんを見てゴクリと喉を鳴らす。
「えっと、あの……」
言い淀む私を真っ直ぐ見据えたまま、次の言葉を待つ哲さん。こういう所が本当に格好良い。
「き……、き…」
「き？」
私と哲さんは付き合いはじめてから数ヵ月が経った。けれどもいつも練習に付き合ったり、一緒に帰ったり、こうしてたまに将棋をさすくらいで正直言って付き合う前と少し一緒に居れる時間が増えたくらいで何も変わらない。
哲さんは携帯を持っていないから毎日メールや電話をして…なんて恋人らしいことも出来ないし、何度か一緒に帰った時に手を繋いだくらい。
私も高校生になって、お年頃…なわけで。もう少し恋人らしいこともしたいなぁ、と考えるようになっていた。
そんな私の考えたお願いが、恥ずかしながら「キスがしたい」ということだった。
なかなか口に出すのは難しくてどうしようかと思っていると不意に名前を呼ばれて顔を上げる。
顔を上げた時には既に哲さんの顔が目と鼻の先にあって、「え」と驚いてる間に唇が重なっていた。
「ななな、えっ！？て、哲さん！？」
身体中の熱が顔に集まっていくのを感じながらそう言って哲さんを見ると片手の甲を口元に当てながら「すまない、なんだかAを見てると我慢できなくて」と謝ってくる。
「…謝らないでください。私も…哲さんとキス、したかったです」
恥ずかしさで俯きながらもやっと自分の気持ちを伝えることが出来た。
「A……もう一度、してもいいか？」
「はい、もちろんです」
肩に手を置かれて今度は目を閉じて、ゆっくりと唇を重ねる。心地好さに身を沈めて行く中で「いや、ここ俺の部屋なんだけど」なんて御幸の声が聞こえた気がした。
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美憂春(プロフ) - いえ！これからも楽しみにしてますね！ヽ(*´∀｀)ノ (2017年1月22日 23時) (
レス) id: 03ce076a00 (このIDを非表示/違反報告)
げび(プロフ) - 美憂春さん» コメントありがとうございます！最後まで読んでいただき、更には全部好きとまで言っていただき本当に嬉しいです。美憂春さんのコメントにいつも支えられてました。本当にありがとうございました！また別の作品も宜しくお願いします。 (2017年1月22日 23時) (レス) id: f7438c8014 (このIDを非表示/違反報告)
美憂春(プロフ) - 御幸、狙い打ちだー！！ヽ(*´∀｀)ノ 私、全部好きです！！(o´艸`) (2017年1月22日 21時) (レス) id: 03ce076a00 (このIDを非表示/違反報告)
げび(プロフ) - 美憂春さん» またまたコメントありがとうございます！亮さんはどんな話にも対応できるのでいつも助かってます(笑)私も自分で書きながらニヤニヤしちゃいました (2017年1月17日 9時) (レス) id: f7438c8014 (このIDを非表示/違反報告)
美憂春(プロフ) - 亮さん、おっとなー！！ｷｬ───(*ﾉдﾉ)───ｧ笑 にやにやしちゃいました！笑 (2017年1月16日 23時) (レス) id: 03ce076a00 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：げび | 作成日時：2016年10月4日 0時
