成宮鳴 × 勘違い ページ48
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隣のクラスの鳴は休み時間毎に遊びに来てくれる。
そんな鳴が携帯を持って帰るのを忘れた為に次の休み時間に返しに行こうと机の中に入れておいた。
見てはいけない、と思ったけれど鳴の携帯が振動して届いたメッセージをうっかり見てしまった。
送信者は明らかに女の人の名前で。
「日曜日、14時に駅前で待ってるね♡」
なんて、デートの待ち合わせかのような文章。丁度日曜日の午後は練習もオフだ。
それからとてもじゃないけど授業に集中出来なかった。
休み時間になって急いで鳴の携帯を持って、廊下で鳴を待ち伏せた。
「あ、やっぱ忘れてた?ありがとねー」
「どういたしまして」
出来るだけ平然を装って鳴に携帯を返す。そして、然り気無く、質問をしてみる。
「ところで、今度の日曜日のオフは何か予定ある?」
「…あー、うん、ちょっとね」
日曜、その言葉を聞いて急に歯切れが悪くなる鳴。怪しい。
「そっか…久しぶりにデートでもどうかなって思ったんだけど」
「え!?Aから誘ってくれるの珍しい…でも日曜は…」
「大丈夫。先約があるんだよね?楽しんできて」
ここまで言って漸く、鳴は携帯の画面に目をやった。
どんな反応をするのかと見ていると何故かニヤリと笑みを浮かべる鳴。
「Aさあ、これ見たでしょ?」
そう言って先ほど届いたメッセージの画面を見せてくる鳴。黙っていると鳴はそのまま話を続ける。
「これ、姉ちゃんだからね。母さんの誕生日が近いからプレゼント選びに行くんだ」
「言い訳は…って、え?お姉さん?」
「そ。ほら、メッセージ全部見て良いよ」
そう言われて受け取った携帯を恐る恐る見る。確かに、お姉さんのようで。
「紛らわしい…なんで名前で登録してるの?」
「姉ちゃん二人いるからさー、ややこしいじゃん」
「ごめんね、疑って」
「いーのいーの、嬉しいし」
「え、嬉しい?」
「だってAさ、俺がファンの子と仲良くしてても全然嫉妬とかしてくれないじゃん」
「それは…心の狭い彼女だなんて思われたくないし…」
そこまで言うとぐいっと腕を引かれて抱き寄せられる。廊下の、それも真ん中で。
「ちょっと、鳴?みんな見てる」
「A、キスしていい?」
「ダメだって、んっ…」
ただでさえ目立つ場所なのに。そう思って拒否する私の言葉を遮って唇を塞いできた鳴。
「ごめん、我慢できなかった。つーかする気もなかったけど」
「……鳴のばか」
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美憂春(プロフ) - いえ!これからも楽しみにしてますね!ヽ(*´∀`)ノ (2017年1月22日 23時) (レス) id: 03ce076a00 (このIDを非表示/違反報告)
げび(プロフ) - 美憂春さん» コメントありがとうございます!最後まで読んでいただき、更には全部好きとまで言っていただき本当に嬉しいです。美憂春さんのコメントにいつも支えられてました。本当にありがとうございました!また別の作品も宜しくお願いします。 (2017年1月22日 23時) (レス) id: f7438c8014 (このIDを非表示/違反報告)
美憂春(プロフ) - 御幸、狙い打ちだー!!ヽ(*´∀`)ノ 私、全部好きです!!(o´艸`) (2017年1月22日 21時) (レス) id: 03ce076a00 (このIDを非表示/違反報告)
げび(プロフ) - 美憂春さん» またまたコメントありがとうございます!亮さんはどんな話にも対応できるのでいつも助かってます(笑)私も自分で書きながらニヤニヤしちゃいました (2017年1月17日 9時) (レス) id: f7438c8014 (このIDを非表示/違反報告)
美憂春(プロフ) - 亮さん、おっとなー!!キャ───(*ノдノ)───ァ笑 にやにやしちゃいました!笑 (2017年1月16日 23時) (レス) id: 03ce076a00 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:げび | 作成日時:2016年10月4日 0時