小湊亮介 × 夢か現か ページ47
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「…A、……A」
ぼんやりとする意識の中、聞き慣れた声で名前を呼ばれてビクッと肩を跳ねさせる。
「お待たせ。なに、最近寝不足なの?」
「ううん、平気」
受験を控えたこの時期。推薦で大学が決まっている亮介に勉強を教えてもらう為に、放課後教室に残っていた。
職員室に呼ばれてるだとかなんとかで、亮介が居ない間にも勉強を進めておこうとしてたのに気が付いたら寝てしまっていたようだ。
しかも、がっつり夢を見ていた。その夢には亮介も登場していて。
「……顔、赤いけど大丈夫?」
「えっ!?あ、うん、大丈夫」
気を取り直して勉強に励もうとする私を亮介の言葉が引き留める。
「Aさ、何か隠してない?」
こんな時、察しが良い相手は困る。必死に誤魔化そうとしたけれど、彼にはお見通しのようで。
「もしかして、やらしい夢でも見た?」
ビクッとまた肩が跳ねる。確信犯なのかなんなのか、そう耳元で囁いてきた亮介。
返事をすぐに出来なかったけれど、逆にその態度が返事になってしまったようだ。
「ふぅん、それで?どんな夢だったの?」
亮介が私の頬を撫でる。丁度、先ほどの夢もこんな感じだった。
誰も居ない教室で二人きり。亮介がそっと手を頬に添えて、唇を寄せてくる。
最初は額、それから瞼、頬と下りてきて唇を飛ばして首筋に。
「…こんな感じ?」
「っ…、唇に、してほしい」
夢の話を恥ずかしながらも始めると、同じように再現する亮介。
夢の中と同じように、もとがしさを感じて自分から唇へのキスを強請った。
ゆっくりと触れるだけのキスをした後、「次は?」と亮介が尋ねてくる。
「何度も、唇を重ねて。その間に亮介の手が…」
言い終わると同時に実行される行為。
もう一度重なった唇は先ほどの触れるだけのものとは違って濃密に絡み合うような、そんなキスで。
繰り返されるキスを堪能していると、亮介の手が太股に触れてまた体が跳ねる。
その手が段々と這うように上へ、上へと伸びてきて。スカートが少し捲れ掛かった所で動きが止まり、唇も離れる。
「この後は?」
その言葉にゆっくりと首を横に振る。
夢で見たのはここまで。その先は目が覚めたのでわからない。
そう伝えると亮介は一瞬考えた様子を見せた後笑みを浮かべた。
「それじゃ、ここから先はオリジナルね」
見ることは叶わなかった夢の続き。夢ではないけれどまるで夢のような、そんな時間だった。
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美憂春(プロフ) - いえ!これからも楽しみにしてますね!ヽ(*´∀`)ノ (2017年1月22日 23時) (レス) id: 03ce076a00 (このIDを非表示/違反報告)
げび(プロフ) - 美憂春さん» コメントありがとうございます!最後まで読んでいただき、更には全部好きとまで言っていただき本当に嬉しいです。美憂春さんのコメントにいつも支えられてました。本当にありがとうございました!また別の作品も宜しくお願いします。 (2017年1月22日 23時) (レス) id: f7438c8014 (このIDを非表示/違反報告)
美憂春(プロフ) - 御幸、狙い打ちだー!!ヽ(*´∀`)ノ 私、全部好きです!!(o´艸`) (2017年1月22日 21時) (レス) id: 03ce076a00 (このIDを非表示/違反報告)
げび(プロフ) - 美憂春さん» またまたコメントありがとうございます!亮さんはどんな話にも対応できるのでいつも助かってます(笑)私も自分で書きながらニヤニヤしちゃいました (2017年1月17日 9時) (レス) id: f7438c8014 (このIDを非表示/違反報告)
美憂春(プロフ) - 亮さん、おっとなー!!キャ───(*ノдノ)───ァ笑 にやにやしちゃいました!笑 (2017年1月16日 23時) (レス) id: 03ce076a00 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:げび | 作成日時:2016年10月4日 0時