伊佐敷純 × 帰省 ページ37
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「え、年末年始実家に帰るん？」
「あぁ、偶には帰って来いって煩くてよ…」
純とは春に出会った。同じ大学で、偶々同じ授業で隣に座ったとき、ペンを席に忘れたまま立った私を追いかけて来てくれたのが最初の出会い。
後ろから「おい」って声かけられて、振り向けばぐっと眉間にシワを寄せて怖い顔してたのに頬を少し赤くさせながら、「忘れ物だ」とペンを差し出してくれた純の顔は今でも鮮明に思い出せる。
「そしたら休みはずっと向こうなん？」
「まあそういうことになるな」
「高校の時の友達と会ったりするん？」
「おう、久し振りにな」
寒そうにネックウォーマーに顔を埋めて、両手をポケットに突っ込んで白い息を吐く純。
そんな純に溜め息を吐けば、私の口からも白い息が零れた。
毎日が野球漬けで、漸く訪れた長期の休み。一人で舞い上がって、関東から来た純をどこに連れていってあげようかと一人で色々と計画を立てて居たのに。
「そっか……楽しんでな。ほな、此処で」
「あ？ちょっと待て、まだ話の続きが…」
勝手にどんどん気分が沈んで行って、一人になりたくて。いつも送って貰う駅までまだ距離があったけれど、純とわかれて一人で帰ろうとすると腕をがしっと掴まれた。
「どしたん？あ、私のことなら気にせんとって。地元の友達に宜しく」
「そうじゃなくて、あのよ…もしAが嫌じゃなかったら、一緒に行かねーか？」
「……へ？」
勝手に年末年始の予定を決めて、それが崩れて勝手に寂しくなって。そんな自分に嫌気がさして、でもそれを純に言って重い女だなんて思われたくなくて。
年末年始どうやって過ごそうかなあ、誰か空いてる友達居たかなあ、なんて考えてたら飛び出した純の言葉に驚いて口が開いた。
「アイツらにAのこと、紹介してーし…関東行ったことねーんだろ？色々連れていってやりてーんだけど…」
照れ臭そうに後ろ髪を掻きながらそう言ってくれた純の言葉が嬉しくて思わず勢いよく抱きつくと純は「おわっ」と小さく声を上げながらも抱き止めてくれる。
「有難う純。大好き」
「なっ……どうしたんだよ急に…」
「そう言ってくれたんが嬉しくて。楽しみやなー、どこに連れてってくれるんやろか」
「それは行ってからの楽しみだな」
「純と一緒やったらどこでも楽しいけど」
「バカヤロー、こっちの台詞だっつの」
我ながら単純だと思うけれど、たったそれだけで沈んでいた気分が上がった。
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美憂春(プロフ) - いえ！これからも楽しみにしてますね！ヽ(*´∀｀)ノ (2017年1月22日 23時) (
レス) id: 03ce076a00 (このIDを非表示/違反報告)
げび(プロフ) - 美憂春さん» コメントありがとうございます！最後まで読んでいただき、更には全部好きとまで言っていただき本当に嬉しいです。美憂春さんのコメントにいつも支えられてました。本当にありがとうございました！また別の作品も宜しくお願いします。 (2017年1月22日 23時) (レス) id: f7438c8014 (このIDを非表示/違反報告)
美憂春(プロフ) - 御幸、狙い打ちだー！！ヽ(*´∀｀)ノ 私、全部好きです！！(o´艸`) (2017年1月22日 21時) (レス) id: 03ce076a00 (このIDを非表示/違反報告)
げび(プロフ) - 美憂春さん» またまたコメントありがとうございます！亮さんはどんな話にも対応できるのでいつも助かってます(笑)私も自分で書きながらニヤニヤしちゃいました (2017年1月17日 9時) (レス) id: f7438c8014 (このIDを非表示/違反報告)
美憂春(プロフ) - 亮さん、おっとなー！！ｷｬ───(*ﾉдﾉ)───ｧ笑 にやにやしちゃいました！笑 (2017年1月16日 23時) (レス) id: 03ce076a00 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：げび | 作成日時：2016年10月4日 0時
