成宮鳴 × 1111 ページ32
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「めーい!今日何の日か知ってる?」
お昼休み。いつもの様に鳴と二人で屋上でご飯を食べてのんびりと過ごす。この時間が鳴とゆっくりと過ごせる唯一の時間。
いつもはご飯を食べ終わったら色々話をしたり、鳴が昼寝をしたり、と過ごすのだが、今日は日付にちなんだお菓子を用意してきた。
「今日?11月11日……1が並んでるからエースの日!イコール俺の日?」
「……ぶっぶー!」
「うわ、可愛くない顔。
ちゃんと知ってるよ、ポッキーの日でしょ?つーか箱見えてるし」
顔の前で×印を作って言うと呆れ気味に返事が返ってくる。今可愛くないとか言われたのは多分気のせい。
バレてしまっては仕方がないので、指を差された先の赤い箱を渋々出して袋を開ける。そこから1本出して口に運ぶ作業をしながら文句を言った。
「見えてたなら最初から言ってくれればいいのに」
「折角だから遊んでやったんじゃん!つーかそれくれないの?」
「あ、食べる?はい、どーぞ♡」
一人でモグモグと食べていたら案の定、鳴が物欲しそうに見てくる。これは絶好のチャンスと思った私は1本取り出してビスケットの部分を口にくわえて鳴に差し出す。
「あ、ポッキーゲームってやつね。ちゅーするためのやつ」
「いいから、早くしないとビスケット折れちゃう」
ポッキーをくわえたまま、鳴を急かす。これじゃあムードも何もないけれど、大事なのはポッキーゲームを完遂させることだと自分に言い聞かせて鳴がポッキーをくわえるのを待つ。
「つーかさ…」
「ん?」
「そんなまどろっこしいことする必要ないじゃん」
すっと伸びてきた鳴の手がポッキー掴んで私の口から抜き取る。急なその行動に驚いているとちゅっと音を立てて唇が重なった。
「この方が早えーし。……ぷぷ、A面白い顔」
「なっ…!!」
「顔真っ赤。かーわいーい」
「うるさい!!ばか!!ポッキーゲームという醍醐味が!!」
「いーじゃん、目的は果たしたんだし。
あ、それとも今のキスじゃ足りなかった?」
先程まで私がくわえていたポッキーをモグモグと食べた鳴は手に付いたチョコレートをぺろりと舐める。
「もっと、甘いキスしてあげようか?」
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美憂春(プロフ) - いえ!これからも楽しみにしてますね!ヽ(*´∀`)ノ (2017年1月22日 23時) (レス) id: 03ce076a00 (このIDを非表示/違反報告)
げび(プロフ) - 美憂春さん» コメントありがとうございます!最後まで読んでいただき、更には全部好きとまで言っていただき本当に嬉しいです。美憂春さんのコメントにいつも支えられてました。本当にありがとうございました!また別の作品も宜しくお願いします。 (2017年1月22日 23時) (レス) id: f7438c8014 (このIDを非表示/違反報告)
美憂春(プロフ) - 御幸、狙い打ちだー!!ヽ(*´∀`)ノ 私、全部好きです!!(o´艸`) (2017年1月22日 21時) (レス) id: 03ce076a00 (このIDを非表示/違反報告)
げび(プロフ) - 美憂春さん» またまたコメントありがとうございます!亮さんはどんな話にも対応できるのでいつも助かってます(笑)私も自分で書きながらニヤニヤしちゃいました (2017年1月17日 9時) (レス) id: f7438c8014 (このIDを非表示/違反報告)
美憂春(プロフ) - 亮さん、おっとなー!!キャ───(*ノдノ)───ァ笑 にやにやしちゃいました!笑 (2017年1月16日 23時) (レス) id: 03ce076a00 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:げび | 作成日時:2016年10月4日 0時