御幸一也 × イタズラ ページ27
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「トリック オア トリート!!」
「……どうしたんだよ、その格好」
「良いでしょ?チャイナ服」
今日は年に一度のイベント、ハロウィン。元々は秋の収穫を祝い、悪霊などを追い出す宗教的な意味合いのある行事……らしいのだが、私たち日本の若者にとっては単なるイベントの一種。
こういう時にしかこういう格好も出来ないし、と今年は大きなスリットと胸元に穴が空いていて、太股と谷間がチラ見えするチャイナドレスに挑戦した。
と言っても見せるのは彼氏である一也相手だけで。ソファに座って寛いでいる一也にお披露目すると驚いて目を見開いていた。
「で、なんつった?」
「トリート オア トリート!お菓子くれないとイタズラしちゃうぞ」
お決まりの台詞をもう一度言い放つと溜め息を吐いた後、ニッと笑う一也。
「お菓子なんて用意してねーからさ……、イタズラしてどうぞ?」
挑発的な笑顔でそう言われてイタズラなんて考えて無かったけれど、膝を立てて一也に跨がる。
「ははっ、イタズラってそっち系?」
一也は動こうとせず、黙ってイタズラを受け入れてくれる様子。一先ずゆっくりと黒渕の眼鏡を取って、唇を寄せた。
ちゅっ、と小さくリップ音を鳴らして触れるだけのキスをするとクツクツと喉を鳴らす一也。
「それじゃ、イタズラっつーよりご褒美なんだけど」
「あっ、ちょっ…どこ触って……んんっ」
するりと足のスリットから入り込んできたゴツゴツとした手が私の腿を撫で上げる。
それを制止しようとして腕を掴むけれどものともせず、言葉で止めようとすれば唇を塞がれる。
先程私がしたそれとは違う、深く繋がる大人のキス。
「っはあ……ちょっと、一也」
「大体こんな服着て来る方が悪いだろ」
「んっ、やあっ……」
やっと解放された唇から息を吸って呼吸を整えていると、ニヤッと笑った一也が今度は私の胸へと顔を埋める。
チュウッと音を立てて吸い上げられ、赤い花が胸に咲く。
「A」
「な、に…?」
体勢を変えられてドサッとソファに押し倒される。上から私を見下ろした一也が真っ直ぐ私の目を見て言う。
「トリック オア トリート。……どうせAもお菓子用意してねーんだろ?
イタズラして…いいよな?」
私の返事を聞く前に一也は私の首筋へと顔を埋めた。
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美憂春(プロフ) - いえ!これからも楽しみにしてますね!ヽ(*´∀`)ノ (2017年1月22日 23時) (レス) id: 03ce076a00 (このIDを非表示/違反報告)
げび(プロフ) - 美憂春さん» コメントありがとうございます!最後まで読んでいただき、更には全部好きとまで言っていただき本当に嬉しいです。美憂春さんのコメントにいつも支えられてました。本当にありがとうございました!また別の作品も宜しくお願いします。 (2017年1月22日 23時) (レス) id: f7438c8014 (このIDを非表示/違反報告)
美憂春(プロフ) - 御幸、狙い打ちだー!!ヽ(*´∀`)ノ 私、全部好きです!!(o´艸`) (2017年1月22日 21時) (レス) id: 03ce076a00 (このIDを非表示/違反報告)
げび(プロフ) - 美憂春さん» またまたコメントありがとうございます!亮さんはどんな話にも対応できるのでいつも助かってます(笑)私も自分で書きながらニヤニヤしちゃいました (2017年1月17日 9時) (レス) id: f7438c8014 (このIDを非表示/違反報告)
美憂春(プロフ) - 亮さん、おっとなー!!キャ───(*ノдノ)───ァ笑 にやにやしちゃいました!笑 (2017年1月16日 23時) (レス) id: 03ce076a00 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:げび | 作成日時:2016年10月4日 0時