白河勝之 × ツーショット ページ25
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ある日のお昼休み。友達と1つの机を囲んで楽しく喋っていると突然現れた勝之がバァンと音を立てて机を叩く。
友達と二人で飛び上がるように肩を震わせて恐る恐る顔を上げると誰がどう見ても怒っている勝之が居て。
「ちょっと来い」と乱暴に腕を引かれて連れてこられたのは空き教室。
「勝之くーん……?どうしたの?」
背中を此方に向けていて表情が読めない(怒ってるのはもう分かっているけれど)勝之に恐る恐る声を掛ける。
「これ、どういうこと?」
クルッと振り返った勝之は自分のスマホの画面を私に見せつけてくる。
そこに写っていたのは私のインスタグラムで、青道の御幸くんとのツーショット写真。
「え、勝之私のインスタ見てくれてんの!?嬉しー!」
「そうじゃないだろ」
一番最初に思ったことをそのまま口に出せば案の定怒られてしまう。
「これ、どういうことかって聞いてるんだけど」
「ほら、この前の練習試合の時!たまたま会えたからお願いしたら一緒に撮ってくれて。」
「なんで寄りによってアイツに……」
「御幸くん、稲実に来るって噂あったのに結局青道に行っちゃったからさー、会えて嬉しくて。」
ニコニコと笑顔を浮かべてそう言うとぐぐっと勝之の眉が寄る。
「お前さ、わざとやってんの?」
「え?わざとって……?」
鬼の形相で迫り来る勝之に後退りするとトンッと背中がドアに当たり、逃げ場を失う。
ゴクリと唾を飲み込むとドンッと音を立てて勝之が私の顔の横に両手を着く。
「わざと、俺に嫉妬させてんのかって聞いてるんだけど」
「……えっ!?勝之、嫉妬してくれてたの?」
思わぬ彼の発言に間抜けな声を出す私。勝之は大きく溜め息を吐いて呆れた表情を見せる。
「……悪い?」
「ううん、悪くない。むしろ嬉しい」
「分かったんならこれ消して。データも全部」
「えっ、全部?」
「当たり前だろ」
「……分かった。でも1つ条件!代わりに勝之とのツーショットが欲しい」
勝之とは付き合いはじめて1年は経ったけれど、まともに二人で写った写真は1枚も無い。きっと嫌がるだろうな、なんて思いながらも返事を待っていると「1枚だけだから」と肩をぐっと抱き寄せてインカメラのシャッターを押す。
「ちょ!待って!!今の無し!やり直し!!」
「1枚だけって言ったろ。ほら、送っといたから」
送られてきたデータを開くと咄嗟の事に驚いた顔をした私と真顔の勝之が写っていた。
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美憂春(プロフ) - いえ!これからも楽しみにしてますね!ヽ(*´∀`)ノ (2017年1月22日 23時) (レス) id: 03ce076a00 (このIDを非表示/違反報告)
げび(プロフ) - 美憂春さん» コメントありがとうございます!最後まで読んでいただき、更には全部好きとまで言っていただき本当に嬉しいです。美憂春さんのコメントにいつも支えられてました。本当にありがとうございました!また別の作品も宜しくお願いします。 (2017年1月22日 23時) (レス) id: f7438c8014 (このIDを非表示/違反報告)
美憂春(プロフ) - 御幸、狙い打ちだー!!ヽ(*´∀`)ノ 私、全部好きです!!(o´艸`) (2017年1月22日 21時) (レス) id: 03ce076a00 (このIDを非表示/違反報告)
げび(プロフ) - 美憂春さん» またまたコメントありがとうございます!亮さんはどんな話にも対応できるのでいつも助かってます(笑)私も自分で書きながらニヤニヤしちゃいました (2017年1月17日 9時) (レス) id: f7438c8014 (このIDを非表示/違反報告)
美憂春(プロフ) - 亮さん、おっとなー!!キャ───(*ノдノ)───ァ笑 にやにやしちゃいました!笑 (2017年1月16日 23時) (レス) id: 03ce076a00 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:げび | 作成日時:2016年10月4日 0時