検索窓
今日:7 hit、昨日:4 hit、合計:125,735 hit

御幸一也 × 宣戦布告 ページ22

-



「ねぇ、御幸」


昼休みの時間。いつも通り自分の席で頬杖をついてスコアブックを眺めている彼の前の席に座る。


「なに?」


チラリと一瞬顔を上げた彼に「実は聞きたいことがありまして…」と続ける。


「御幸ってさ……好きな子いるの?」


小さく深呼吸をしてから意を決して質問をする。…というのも、他のクラスの友達に聞いて欲しいと頼まれたのだ。


御幸はモテる。ひねくれた性格を知ってるのかどうかは捨て置き、皆この見た目にキャーキャー騒いでいるのをよく聞く。


その友達も御幸が好きな内の一人で、同じクラスで同じ部活、比較的仲の良い私に調査を依頼してきたのだ。


確かに、御幸とはそういった話をしたことは無く、御幸が好きになる子ってどんな子なんだろうと少し興味が沸いた私は友達の依頼を受けることにした。決してお菓子で釣られたりしたわけではない。


「ねぇ、聞いてる?」


「A」


なかなか返事をしない御幸に催促すればスコアブックに目を落としたまま名前を呼ばれる。「え、なに?」と返事をするとははっと小さく笑って顔を上げた。


「だから、Aだって言ってんの。俺の好きなヤツ。」


「……は?」


御幸の突然の言葉に驚いて目をパチクリとさせる。今、なんて言ったの?


「そんな『有り得ない』って顔されると傷付くんだけど」


そう言う御幸はとても傷付いている様には見えないけれど。寧ろなんだか楽しそうだ。


「え、本気で言ってるの…?」


「俺はいつだって本気」


さっきまで笑顔を浮かべていたのに急に真剣な顔になるものだから心臓を鷲掴みにされたような気持ちになる。


「…ま、今のは心の片隅に置いといてくれたらいーよ。これから嫌でも惚れさせてやっから」


「な?」と自信満々の笑顔を浮かべる御幸に何も言えないでいるとわしゃっと頭を撫でられる。


「あれ、もしかしてもう惚れちゃった?」


その自信が何処から涌き出てくるのか不思議なくらい強気な御幸。


「……いーよ。惚れさせてみなよ。」


多分、顔が真っ赤になってるであろうけど。強気な彼に対抗するようにそう返事をする。後にそう言ったことを後悔することになるのだが、「はは、覚悟しとけよ?」と言われて引くに引けなくなった。

倉持洋一 × ドライヤー→←沢村栄純 × 全球ストレート



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (120 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
211人がお気に入り
設定タグ:ダイヤのA , 短編集
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

美憂春(プロフ) - いえ!これからも楽しみにしてますね!ヽ(*´∀`)ノ (2017年1月22日 23時) (レス) id: 03ce076a00 (このIDを非表示/違反報告)
げび(プロフ) - 美憂春さん» コメントありがとうございます!最後まで読んでいただき、更には全部好きとまで言っていただき本当に嬉しいです。美憂春さんのコメントにいつも支えられてました。本当にありがとうございました!また別の作品も宜しくお願いします。 (2017年1月22日 23時) (レス) id: f7438c8014 (このIDを非表示/違反報告)
美憂春(プロフ) - 御幸、狙い打ちだー!!ヽ(*´∀`)ノ 私、全部好きです!!(o´艸`) (2017年1月22日 21時) (レス) id: 03ce076a00 (このIDを非表示/違反報告)
げび(プロフ) - 美憂春さん» またまたコメントありがとうございます!亮さんはどんな話にも対応できるのでいつも助かってます(笑)私も自分で書きながらニヤニヤしちゃいました (2017年1月17日 9時) (レス) id: f7438c8014 (このIDを非表示/違反報告)
美憂春(プロフ) - 亮さん、おっとなー!!キャ───(*ノдノ)───ァ笑 にやにやしちゃいました!笑 (2017年1月16日 23時) (レス) id: 03ce076a00 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:げび | 作成日時:2016年10月4日 0時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。