御幸一也 × 宣戦布告 ページ22
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「ねぇ、御幸」
昼休みの時間。いつも通り自分の席で頬杖をついてスコアブックを眺めている彼の前の席に座る。
「なに?」
チラリと一瞬顔を上げた彼に「実は聞きたいことがありまして…」と続ける。
「御幸ってさ……好きな子いるの?」
小さく深呼吸をしてから意を決して質問をする。…というのも、他のクラスの友達に聞いて欲しいと頼まれたのだ。
御幸はモテる。ひねくれた性格を知ってるのかどうかは捨て置き、皆この見た目にキャーキャー騒いでいるのをよく聞く。
その友達も御幸が好きな内の一人で、同じクラスで同じ部活、比較的仲の良い私に調査を依頼してきたのだ。
確かに、御幸とはそういった話をしたことは無く、御幸が好きになる子ってどんな子なんだろうと少し興味が沸いた私は友達の依頼を受けることにした。決してお菓子で釣られたりしたわけではない。
「ねぇ、聞いてる?」
「A」
なかなか返事をしない御幸に催促すればスコアブックに目を落としたまま名前を呼ばれる。「え、なに?」と返事をするとははっと小さく笑って顔を上げた。
「だから、Aだって言ってんの。俺の好きなヤツ。」
「……は?」
御幸の突然の言葉に驚いて目をパチクリとさせる。今、なんて言ったの?
「そんな『有り得ない』って顔されると傷付くんだけど」
そう言う御幸はとても傷付いている様には見えないけれど。寧ろなんだか楽しそうだ。
「え、本気で言ってるの…?」
「俺はいつだって本気」
さっきまで笑顔を浮かべていたのに急に真剣な顔になるものだから心臓を鷲掴みにされたような気持ちになる。
「…ま、今のは心の片隅に置いといてくれたらいーよ。これから嫌でも惚れさせてやっから」
「な?」と自信満々の笑顔を浮かべる御幸に何も言えないでいるとわしゃっと頭を撫でられる。
「あれ、もしかしてもう惚れちゃった?」
その自信が何処から涌き出てくるのか不思議なくらい強気な御幸。
「……いーよ。惚れさせてみなよ。」
多分、顔が真っ赤になってるであろうけど。強気な彼に対抗するようにそう返事をする。後にそう言ったことを後悔することになるのだが、「はは、覚悟しとけよ?」と言われて引くに引けなくなった。
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美憂春(プロフ) - いえ!これからも楽しみにしてますね!ヽ(*´∀`)ノ (2017年1月22日 23時) (レス) id: 03ce076a00 (このIDを非表示/違反報告)
げび(プロフ) - 美憂春さん» コメントありがとうございます!最後まで読んでいただき、更には全部好きとまで言っていただき本当に嬉しいです。美憂春さんのコメントにいつも支えられてました。本当にありがとうございました!また別の作品も宜しくお願いします。 (2017年1月22日 23時) (レス) id: f7438c8014 (このIDを非表示/違反報告)
美憂春(プロフ) - 御幸、狙い打ちだー!!ヽ(*´∀`)ノ 私、全部好きです!!(o´艸`) (2017年1月22日 21時) (レス) id: 03ce076a00 (このIDを非表示/違反報告)
げび(プロフ) - 美憂春さん» またまたコメントありがとうございます!亮さんはどんな話にも対応できるのでいつも助かってます(笑)私も自分で書きながらニヤニヤしちゃいました (2017年1月17日 9時) (レス) id: f7438c8014 (このIDを非表示/違反報告)
美憂春(プロフ) - 亮さん、おっとなー!!キャ───(*ノдノ)───ァ笑 にやにやしちゃいました!笑 (2017年1月16日 23時) (レス) id: 03ce076a00 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:げび | 作成日時:2016年10月4日 0時