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御幸一也 × 寒い朝 ページ13

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ジリリリ


起きないといけない時間を知らせる目覚まし時計の音が重たい瞼を抉じ開ける。


目覚まし時計を止めて、一度ゆっくりと体を伸ばしてから隣で眠る彼に声を掛ける。


「一也、起きないと。今日移動でしょ?」


彼は「んー」と低い声で返事にならない返事をしながらモソモソと此方に寝返りを打つけれど目を開けようとはしない。


「遅れても知らないよー」


もう一度追い討ちを掛ける様にそう言うと漸くゆっくりと目を開けて、くあっと大きく欠伸をする。


「はよ、……ん」


「おはよう、一也。この手は何……うわっ」


目覚めの挨拶をしながら両手を拡げている彼に小首を傾げるとぐいっと腕を引かれて、そのまま彼の腕の中に収まる。


「ちょっと、一也…?」


「……寒みぃ」


「暖房入れて来ようか?」


「いや、いい。Aあったけぇ…」


ぎゅっと私を抱き締めて体を丸くしながら「もう少しだけこのままで居させて」なんて囁かれてしまったので私も諦めて身を委ねる。


「一也猫みたい」


少し寝癖のついている髪を撫でながらそう小さく笑ってやると「にゃー」と気だるそうな声が返ってきた。









その後、気付けば二人揃ってうとうとと夢の中に引き戻されていた。


「朝ご飯食べる時間無いよね?」


「んー、駅でなんか食うわ」


バタバタと足音を鳴らして焦っているのは家を出る本人では無く、私の方。


新幹線の時間が迫っている彼と言えば悠長に球団指定のネクタイを締めている。


「忘れ物は?無い?」


結局家を出る時間にはなんとか間に合って、玄関まで彼を見送る。


「あっ、忘れ物」


「なに?……んっ」


彼が急に声を上げるものだから何か忘れたのかと尋ねると軽く唇が触れる。


「今のはおはようのキス」


一度離れてそう言うと角度を変えてもう一度。


「今のはいってきますのキス」


気付けば腰に回されていた手がぐっと私を引き寄せてもう一度、今度は何度も角度を変えて、深く繋がる。


「……今のは明日からの分」


ニッと得意気に笑顔を浮かべて「じゃ、いってきます」と楽しそうな背中を見送る。


開いたドアから冷たい秋の風が入ってきて赤く火照った頬を掠めた。

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美憂春(プロフ) - いえ!これからも楽しみにしてますね!ヽ(*´∀`)ノ (2017年1月22日 23時) (レス) id: 03ce076a00 (このIDを非表示/違反報告)
げび(プロフ) - 美憂春さん» コメントありがとうございます!最後まで読んでいただき、更には全部好きとまで言っていただき本当に嬉しいです。美憂春さんのコメントにいつも支えられてました。本当にありがとうございました!また別の作品も宜しくお願いします。 (2017年1月22日 23時) (レス) id: f7438c8014 (このIDを非表示/違反報告)
美憂春(プロフ) - 御幸、狙い打ちだー!!ヽ(*´∀`)ノ 私、全部好きです!!(o´艸`) (2017年1月22日 21時) (レス) id: 03ce076a00 (このIDを非表示/違反報告)
げび(プロフ) - 美憂春さん» またまたコメントありがとうございます!亮さんはどんな話にも対応できるのでいつも助かってます(笑)私も自分で書きながらニヤニヤしちゃいました (2017年1月17日 9時) (レス) id: f7438c8014 (このIDを非表示/違反報告)
美憂春(プロフ) - 亮さん、おっとなー!!キャ───(*ノдノ)───ァ笑 にやにやしちゃいました!笑 (2017年1月16日 23時) (レス) id: 03ce076a00 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:げび | 作成日時:2016年10月4日 0時

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