成宮鳴 × 似た者同士 ページ11
-
「あーもう!ほんっとーに生意気!!」
「その言葉そのまま先輩にお返しします!!」
バチバチと睨み合った後、ぷいっとお互い顔を背ける。周りからは「またやってるよ」と呆れた声が聞こえる。
「大体さー、いつまで先輩呼びなわけ?彼女のくせに!」
「なっ…!先輩だって、私のこと苗字で呼んだり、酷いときは『ねぇ』とか『ちょっと』って呼ぶじゃないですか!!彼氏のくせに!!」
「はぁ!?そっちが鳴って呼んでくれないからじゃん!」
「そっちがAって呼んでくれたら呼んであげてもいーですよ?」
彼と付き合いだしてから数ヵ月が経った。でも彼はチームのエース様で、先輩。今までの慣れというのもあってなかなか恋人らしく接することが出来ないでいた。
それは彼も同じな様で、全然彼女扱いしてくれない。後輩というのが抜けきらないのか、どっちかと言うと子分のような、そんな扱い方をしてくる。
そのせいでことあるごとにこうやって言い合いになるのだが、周りは"いつものこと"と見てみぬフリをする。
「はぁ〜、もう付き合ってらんない」
「ちょ、ちょっと待って!鳴!!」
流石に今回は痺れを切らしたのか盛大に溜め息を吐いた彼がくるっと踵を返すので慌てて呼び止める。声を出してから呼び捨てで名前を呼んでしまったことに気付いて「あっ…」と口を押さえるけれど、時既に遅し。
ニタァと笑った鳴がゆっくりと振り向いて「今、なんて?」と耳に手を当てて聞き返してくる。
「違うんです、今のはその…口が滑って……んっ」
と苦しい言い訳を慌ててしていると乱暴に唇が塞がれる。突然のことに目を見張って、口をパクパクとしてるとシシシと口角を上げた彼の顔が目の前に。
「なっ……い、今のは……」
「口が滑った!」
してやったり、と言った感じでペロッと舌を出して「キスする時は目閉じてよ」なんて余裕を見せながら笑っている。
「そ、そっちがいきなりするからでしょ!この変態っ!!」
「はぁ!?そっちが急に名前呼ぶとか可愛いことするからじゃん!!」
「えっ、可愛い!?」
「ちが…今のも口が滑ったの!!」
「ふーん、ま、そういうことにしといてあげてもいーですけど」
「あーもう、本当生意気。」
さっきの余裕ぶりはどこにいったのか顔を赤く染める彼に「生意気なとこも好きなくせに」なんて言えば「あーうるさい」と適当にあしらわれた。
211人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「短編集」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
美憂春(プロフ) - いえ!これからも楽しみにしてますね!ヽ(*´∀`)ノ (2017年1月22日 23時) (レス) id: 03ce076a00 (このIDを非表示/違反報告)
げび(プロフ) - 美憂春さん» コメントありがとうございます!最後まで読んでいただき、更には全部好きとまで言っていただき本当に嬉しいです。美憂春さんのコメントにいつも支えられてました。本当にありがとうございました!また別の作品も宜しくお願いします。 (2017年1月22日 23時) (レス) id: f7438c8014 (このIDを非表示/違反報告)
美憂春(プロフ) - 御幸、狙い打ちだー!!ヽ(*´∀`)ノ 私、全部好きです!!(o´艸`) (2017年1月22日 21時) (レス) id: 03ce076a00 (このIDを非表示/違反報告)
げび(プロフ) - 美憂春さん» またまたコメントありがとうございます!亮さんはどんな話にも対応できるのでいつも助かってます(笑)私も自分で書きながらニヤニヤしちゃいました (2017年1月17日 9時) (レス) id: f7438c8014 (このIDを非表示/違反報告)
美憂春(プロフ) - 亮さん、おっとなー!!キャ───(*ノдノ)───ァ笑 にやにやしちゃいました!笑 (2017年1月16日 23時) (レス) id: 03ce076a00 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:げび | 作成日時:2016年10月4日 0時