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四十一話 俺は過保護なのか… ページ42

近藤「山南くんはどうして
 早乙女くんの外出を
 認めようと思うのかね?」


近藤のその問いかけに
山南は何の障害もなく答える。


山南「早乙女くんはその実直な心根と腕前で
 隊士達の信頼を確実に集めつつあります。
 そんな彼がこの機に乗じて脱走するなど
 彼らを裏切る行為をするはずがありません」


確かに幹部らが一目置くほどの
武士らしい気質のAが
士道に背くようなことをするのは考えにくい。

だが、それでも確信があるとは言えず
その理論にはもう少し
決定打になるような一手がほしいところだ。


すると──…


山南「それに…知っての通り、
 雪村くんに過保護な彼が
 彼女を見捨て逃走すると思いますか?」


「「「──それはないな!」」」


彼の駄目押しの一言で
その場にいる全ての者の不安が消された。

これは誰もが日々、身をもって感じているので。


A「満場一致か!?
 確かに隊士達の思いを踏みにじる気も
 千鶴を置いていく気もあるはずないが…」


千鶴「……っ!
 (なんだかとても恥ずかしいです…)」


当然のことだとAの口から出た言葉に
体温が上がって千鶴は僅かに頬を染めた。

彼女の言葉も、そして幹部達の認識も
言い表せぬほどに照れくさくて。


山南「でしょう?
 それならば安心して外出許可が出せます」


“安心”は言い換えると、
信頼してる…という意味にもなる。

Aはそれが嬉しい反面、
旅を続けて人との繋がりを希薄にした己に
言われ慣れないことで戸惑った。


A「ありがとう、ございます…」


言葉の歯切れも悪くてぎこちなく頭を下げた。


山南「私もきみのことは
 少なからず尊敬していますからね」


A「!」


それは彼女が山南を激励した言葉と
全く同じであった。

彼の意外な発言の数々に驚きながらも、
Aは何と言っても嬉しくて
そして、どこかくすぐったさも覚える。



**********


続く

四十二話 相変わらずな二人…→←四十話 本能的な恐怖だな…


ラッキー人物

藤堂平助 祭りに行ったら、手をつないで一緒に楽しんじゃお☆


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亜紀野ユキ(プロフ) - 彩豊さん» ありがとうございます(*´ー`*) (2022年10月26日 14時) (レス) id: 737b70383c (このIDを非表示/違反報告)
彩豊(プロフ) - こんにちは!凄くおもしろかったです!これからどんな展開になるか気になります_:(´ཀ`」 ∠):更新頑張ってください!応援してます☆彡 (2022年10月21日 19時) (レス) @page50 id: 72022c3b56 (このIDを非表示/違反報告)
亜紀野ユキ(プロフ) - 綵河さん» 薫くん良いですよね~♪僕も薫くんの生意気そうで寂しがり屋なところが愛らしいと思っています!!!!この小説でも早く登場させたいと思ってます!!!!!! (2016年8月10日 16時) (レス) id: f4bec4ec63 (このIDを非表示/違反報告)
綵河 - もっとたくさん薄桜鬼シリーズを書いてくれると読む気がわいてきます!ちなみに私は【南雲薫】の占いツクールを書いてくれると嬉しいです♪♪ (2014年3月31日 9時) (レス) id: 6ae65de84b (このIDを非表示/違反報告)
亜紀野ユキ(プロフ) - 玲名さん» お世辞でも嬉しいです!!僕はとにかく小説を書くとき、いつも読者様たちの立場になったつもりで「どう書けば伝わるか」を考えながら書いています♪とはいっても、僕より素晴らしい作者様たちはたくさんいますが… (2013年12月16日 21時) (レス) id: 806d6ba1fe (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:亜紀野ユキ | 作成日時:2013年2月3日 22時

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