二十九話 またお前か… ページ30
総司「やあ」
A「はあ…。またお前か」
千鶴の部屋を出てすぐに目の前に総司が現れて
Aは盛大なため息をついた。
ただでさえ気分が沈んでいるのに
よりによってこいつと顔を合わせるのか…
と、言いたげに。
総司「僕達のことを詮索すると
きみを斬ることになるのは分かってるよね?」
A「……先程のことに釘を刺しに来たのか。
あまり下手に隠されると、
かえって知りたくなってしまうものだろ?」
総司「へぇ…」
すると彼は刀の鍔(つば)を軽く持ち上げて
ちらりと刃を見せながら好戦的に目を光らせた。
普段の態度が態度なので
これが冗談なのか本気なのかは分かりにくい。
それに対してAは──…
A「だが、お前らが
そこまで知られたくないのなら
俺も千鶴も深くは知りたがらない」
そっと、刀を握る彼の手に自分の手を添えて
戦うつもりはない意志を見せ
言葉を使わずに刀から手を放すよう諭した。
すると総司も素直に柄を握る手を放す。
総司「(毎日刀を振ってるっていうのに
子供みたいに小さい手…)
……それは自分とあの子を守るためかい?」
A「まあな。あと…お前らを
少し信じてみようと思っただけだ」
思いのほか素直にすんなりと伝えられた
彼女の裏表のない言葉──…
総司「ふーん……」
敵対意識を持たれていることもあり、
突然Aに優しくされて
顔には出ないが総司は戸惑っていた。
総司「……ありがと」
高身長のため十分にAを
見下ろせる高い位置から
くしゃくしゃ…とその髪を撫でる。
まるで子供をほめる時のように。
──バシィ!
A「さ、触るなっ…
というか子供扱いするなっ!!」
広間で左之助に撫でられた感覚が
再び呼び起こされ
顔を赤らめながら即座にその手を払った。
片意地張って生きる彼女にとって
子供扱いされたり甘やかされたりするのは
やはり慣れないことだ。
総司「あははっ!(こんな顔もするんだ)」
**********
続く
ラッキー人物
藤堂平助 祭りに行ったら、手をつないで一緒に楽しんじゃお☆
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亜紀野ユキ(プロフ) - 彩豊さん» ありがとうございます(*´ー`*) (2022年10月26日 14時) (レス) id: 737b70383c (このIDを非表示/違反報告)
彩豊(プロフ) - こんにちは!凄くおもしろかったです!これからどんな展開になるか気になります_:(´ཀ`」 ∠):更新頑張ってください!応援してます☆彡 (2022年10月21日 19時) (レス) @page50 id: 72022c3b56 (このIDを非表示/違反報告)
亜紀野ユキ(プロフ) - 綵河さん» 薫くん良いですよね~♪僕も薫くんの生意気そうで寂しがり屋なところが愛らしいと思っています!!!!この小説でも早く登場させたいと思ってます!!!!!! (2016年8月10日 16時) (レス) id: f4bec4ec63 (このIDを非表示/違反報告)
綵河 - もっとたくさん薄桜鬼シリーズを書いてくれると読む気がわいてきます!ちなみに私は【南雲薫】の占いツクールを書いてくれると嬉しいです♪♪ (2014年3月31日 9時) (レス) id: 6ae65de84b (このIDを非表示/違反報告)
亜紀野ユキ(プロフ) - 玲名さん» お世辞でも嬉しいです!!僕はとにかく小説を書くとき、いつも読者様たちの立場になったつもりで「どう書けば伝わるか」を考えながら書いています♪とはいっても、僕より素晴らしい作者様たちはたくさんいますが… (2013年12月16日 21時) (レス) id: 806d6ba1fe (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:亜紀野ユキ | 作成日時:2013年2月3日 22時