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十九話 夕食の時間だな… ページ20

千鶴「ど、どうして
 沖田さんとAさんが
 こんなところにっ!?」


総司「あれー?
 もしかして気付いてなかったとか?
 この時間帯は僕がきみの監視役なんだけどな」


千鶴「(そういえば私、監視されてるんでした…)
 もしかして私の独り言も全部…」


不安げに総司を見ると、
彼はあえて何も言わず愛想よく微笑んだ。


A「すまない…千鶴。
 盗み聞きするつもりはなかったが…つい」


千鶴 (聞かれてた…!
 これ、もう絶対聞かれてた…っ)


代わりにAが答えると、
がくっと千鶴は顔をうつむかせた。


すると、さらに──…


一「夕食の支度ができているんだが…
 そろそろ良いだろうか」


二人分の膳を持った一が
少し遠慮がちに声をかける。

特に周りを警戒していなかったために
彼の登場にはAも思わず
「いつの間に!?」と言うような顔で驚いた。


千鶴「斎藤さん!?
 ……あの、斎藤さんもずっとそこに…?」


すると、一は無言のまま
こくりと小さくうなづいた。

それと同時に、
千鶴は再び気恥ずかしそうにうつむく。


A「ち…千鶴!あまり気に病むな。
 独り言なんて誰でもするものだろ?
 それにきみの不満は人として当然だ!」


厳密に言えば、鬼であるが。


すっと立ち上がり、Aは
子供をあやすように千鶴の頭を撫でる。

彼女は幼い頃、主に千鶴の頭に手を置いて
あやすのが得意だったが、
未だにその癖が抜けないようだ。


千鶴「Aさん……っ
 (それでも恥ずかしいんですっ!)」


平助「あのさー!メシの時間なんだけど…」


そこへ、続いて
戻ってくるのが遅い一を呼びに平助が現れた。


一「俺は仕事がある。先に食べて良い」


総司「片時も目を離すなって
 土方さんの命令だからね」


A「では、俺も部屋に戻る」


千鶴の頭を最後に優しくぽんぽんして、
Aは一から自分の分の膳を受け取り
その場から離れようとした。

ちなみに、Aの食事の場合は
見張りはいないが自室で一人でとっている。


平助「だったらこいつらも俺らと
 一緒に食わせればいいんじゃねーの?」


「「え…?」」


平助の口から何気なく出た言葉に
面食らった二人の少女の声が見事に重なった。



**********


続く

二十話 行くか、行かぬか…→←十八話 浮かぶ幻影…


ラッキー人物

藤堂平助 祭りに行ったら、手をつないで一緒に楽しんじゃお☆


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亜紀野ユキ(プロフ) - 彩豊さん» ありがとうございます(*´ー`*) (2022年10月26日 14時) (レス) id: 737b70383c (このIDを非表示/違反報告)
彩豊(プロフ) - こんにちは!凄くおもしろかったです!これからどんな展開になるか気になります_:(´ཀ`」 ∠):更新頑張ってください!応援してます☆彡 (2022年10月21日 19時) (レス) @page50 id: 72022c3b56 (このIDを非表示/違反報告)
亜紀野ユキ(プロフ) - 綵河さん» 薫くん良いですよね~♪僕も薫くんの生意気そうで寂しがり屋なところが愛らしいと思っています!!!!この小説でも早く登場させたいと思ってます!!!!!! (2016年8月10日 16時) (レス) id: f4bec4ec63 (このIDを非表示/違反報告)
綵河 - もっとたくさん薄桜鬼シリーズを書いてくれると読む気がわいてきます!ちなみに私は【南雲薫】の占いツクールを書いてくれると嬉しいです♪♪ (2014年3月31日 9時) (レス) id: 6ae65de84b (このIDを非表示/違反報告)
亜紀野ユキ(プロフ) - 玲名さん» お世辞でも嬉しいです!!僕はとにかく小説を書くとき、いつも読者様たちの立場になったつもりで「どう書けば伝わるか」を考えながら書いています♪とはいっても、僕より素晴らしい作者様たちはたくさんいますが… (2013年12月16日 21時) (レス) id: 806d6ba1fe (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:亜紀野ユキ | 作成日時:2013年2月3日 22時

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