四十九話 偶然とは恐ろしいものだ… & 続編のお知らせ ページ50
―――――……
―――…
総司「やあ、偶然だね」
二人が店から出てきたところで
隊服を着た総司と
ばったりと出くわしてしまった。
「「げっ…」」
その裏がありそうなにこやかな顔を目にして
Aと平助の口から
思わず露骨に嫌がる声が漏れる。
示し合わせたかのように息ぴったりと。
総司「二人してその反応はあんまりだよ。
……ところで、こんなとこで何してるの?」
女物の小物ばかりが置いてある店から
二人きりで出てきたので
彼がそう訊ねるのも当然のことだ。
平助「いや…Aが千鶴に土産買いたいって」
A「今、勘定を済ませたところだ」
桃色の簪を握った手をおもむろに上げて
それとなく総司に見せる。
総司「へえー…じゃあ一緒に帰ろっか?」
──ぎゅっ…
流れるように簪を持っていない方の
彼女の手を握って
そのまま無邪気な子供のように走り出した。
A「な、おいっ!手を繋ぐな!!」
急に手を引かれて
少し転びそうになりながらも
彼に合わせてAも小走りになる。
放せと言わんばかりに
ぶんぶんと彼の手を振り払おうと振り回して。
総司「いいから」
A「よくない!!」
しかし、総司は
一向に手の力を緩める気配はなく
むしろさらにきつく握り直した。
その大きさが自分とあまりにも違うことに
気付いたAは彼を拒むことも忘れて
思わずその手に目を奪われる。
A「………沖田の手は大きいな」
そう、ぽつりと呟くと──…
総司「そうかな?
Aくんが特別小さいだけだと思うよ」
もはや日課となりつつある彼から言われる
“小さい”にAは頬をひくつかせた。
沸々と怒りが込み上げる。
──ぎゅうぅっ!!!
日頃の恨みを晴らさんとばかりに
無言で思いっきり簪を持った方の手で
総司の手をつねった。
総司「いたたたっ!!
ちょっと、手をつねらないでよ!」
平助 (Aと総司って
仲が良いのか悪いのか分かんねーな…)
未だに店の前を動こうとしないまま
遠くで子供のようなやり取りをする二人に
平助はしみじみと思った。
**********
〜続編のお知らせ〜
ついに続編に行かせていただきます!
これも皆さまのご評価とコメントが
もやしっ子の作者を
支えてくださったおかげです♪
どうかこれからもお暇なときは
会いに来てください\(´∀`*)/
ラッキー人物
藤堂平助 祭りに行ったら、手をつないで一緒に楽しんじゃお☆
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亜紀野ユキ(プロフ) - 彩豊さん» ありがとうございます(*´ー`*) (2022年10月26日 14時) (レス) id: 737b70383c (このIDを非表示/違反報告)
彩豊(プロフ) - こんにちは!凄くおもしろかったです!これからどんな展開になるか気になります_:(´ཀ`」 ∠):更新頑張ってください!応援してます☆彡 (2022年10月21日 19時) (レス) @page50 id: 72022c3b56 (このIDを非表示/違反報告)
亜紀野ユキ(プロフ) - 綵河さん» 薫くん良いですよね~♪僕も薫くんの生意気そうで寂しがり屋なところが愛らしいと思っています!!!!この小説でも早く登場させたいと思ってます!!!!!! (2016年8月10日 16時) (レス) id: f4bec4ec63 (このIDを非表示/違反報告)
綵河 - もっとたくさん薄桜鬼シリーズを書いてくれると読む気がわいてきます!ちなみに私は【南雲薫】の占いツクールを書いてくれると嬉しいです♪♪ (2014年3月31日 9時) (レス) id: 6ae65de84b (このIDを非表示/違反報告)
亜紀野ユキ(プロフ) - 玲名さん» お世辞でも嬉しいです!!僕はとにかく小説を書くとき、いつも読者様たちの立場になったつもりで「どう書けば伝わるか」を考えながら書いています♪とはいっても、僕より素晴らしい作者様たちはたくさんいますが… (2013年12月16日 21時) (レス) id: 806d6ba1fe (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:亜紀野ユキ | 作成日時:2013年2月3日 22時