四十三話 鬼殺隊と時透家は ページ45
やがて、槇寿郎が
思い出したように言葉を続けた。
「あと、預言通りの土地で見つかった
始まりの呼吸の剣士の子孫だが……」
「はい。たしか……ご子息方は
まだ千寿郎と同い年だとか…」
Aの件で柱合会議を開いたすぐ後に
鬼殺隊は時透家を見つけ出し、
この数年ですでに何度か接触している。
そのことを瑠火も耳にしていた。
鬼殺隊の希望としては──…
まだ幼い双子のご子息方を
剣士として育てる機会を設け
鬼舞辻無惨を討つ力を貸して頂きたい。
「そうだ。ご両親には鬼狩りのことを説明し
我々の事情を理解してもらったので、
ご子息方の意思を尊重することを前提に
これからも交流を続ける運びとなった」
これで、時透家は鬼殺隊と繋がりを持った。
これから先…身内だけでは
乗り越えられない事態が起ころうとも
鬼殺隊は無条件で力となるはず。
今はまだ小さな変化だが、
そう遠くない未来──…
…────そこは僅かに優しい世界だろう。
すると、そこへ──…
「父上!!早く稽古をつけてください!」
木刀を持った杏寿郎が槇寿郎を急かす。
先程までの不貞腐れた態度から一転、
曇りのない眼が父を捉える。
根がまっすぐで明るい彼は
うじうじと悩むのが得意ではないので
落ち込んでも立ち直りは凄まじく早い。
「おお…いつになく気合いが入ってるな」
「俺は、いずれ…
父上を越える炎柱になりますから!!」
眩しい笑顔が煉獄家で弾けた。
(いつか…あの子と再会したときに
誇れる自分であれるように…!)
もし──…
Aがこの表情を直視すれば
耐えきれない衝撃のあまり
失神は避けられなかっただろう。
* * *
ちなみに、その頃のAは──…
偶然町で見かけた“煉獄さんっぽい”柄の
利梵で髪を結い上げて
数刻前までは非常に上機嫌だった。
森羅万象を推しと関連付けて
この世の全てを愛でる…
────それが、推しのいるヲタクである。
そして、推しを連想させる
利梵を身につけた自分に怖いものはない…と、
わりと真剣に考えていたりもした。
が、しかし──…
「貴様が共喰い鬼か……」
現在、Aは無限城に拉致されている。
鬼舞辻無惨の真正面に正座し、
周りを上弦の鬼に囲まれ…
(…………辞世の句でも考えよう)
世を儚むような虚ろな目で正面を見据え
死を覚悟していた。
鬼生…最大の危機であるのは言うまでもない。
**********
続く
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亜紀野ユキ(プロフ) - 茨の谷の第2王子(ヲタク)←王子がそれでいいのかさん» そちらもご閲覧ありがとうございます(*^ω^) (2022年10月26日 14時) (レス) id: 737b70383c (このIDを非表示/違反報告)
茨の谷の第2王子(ヲタク)←王子がそれでいいのか - リボーンの作品書いてたの作者様だったのですね!あの作品とても面白くて好きです! (2022年9月28日 22時) (レス) id: 304b99e4d1 (このIDを非表示/違反報告)
亜紀野ユキ(プロフ) - Zxcvbnm9090さん» (*´∀`*)ポッ…ありがとうございます!!頑張りますb (2021年11月20日 12時) (レス) id: 737b70383c (このIDを非表示/違反報告)
Zxcvbnm9090(プロフ) - 鬼設定がまず面白い上に主人公のキャラが好きです!!推しのために貢ぐ笑最高でした!これからも楽しみにしてます!! (2021年11月20日 9時) (レス) @page47 id: 2e6009ddad (このIDを非表示/違反報告)
亜紀野ユキ(プロフ) - フランとベルさん» ありがとうございます(*´ω`*)テレッ (2021年11月13日 7時) (レス) id: 737b70383c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:亜紀野ユキ | 作成日時:2021年9月10日 17時