十七話 今後の鬼殺隊の方針 ページ19
「にわかには信じがたい!
その全てが
眉唾と言わざるを得ない」
「鬼は人を騙し食らう許しがたき存在!
これまでの経験から鑑みても
ただの一つも例外はありませぬ!!」
「我々の内情を探るための猿芝居では…?」
「しかし…それならば、治療した者に
己の存在を口止めする必要はない。
むしろ、喧伝させるべきだろう」
「待て…!人を助けたのは事実としても
それが人を食わぬ証明ではない!」
その異質な存在に
柱たちは大いに混乱して意見が交錯する。
多くが懐疑的で否定的ではあった。
しかし、その他の有象無象の鬼と同様に
斬り捨ててしまうべきなのか、
生きたまま捕らえるべきなのか…
という点において論争が繰り広げられる。
「…──思うに、少女に我々への害意はない。
むしろ協力的で友好的だね。
そして、けして人を食らわない。
……少なくとも私はそう確信しているよ」
興奮する柱たちを鎮めて
その場を収めるように輝哉がそう微笑んだ。
「理由を窺ってもよろしいでしょうか?」
「少女が通った村々では
人や獣の変死や神隠しは起こっていない。
しかも、彼女と関わった人々は
それぞれ人知を超える力によって
癒し救われ希望をもたらされている」
一拍置いて、彼は言葉を続けた。
「…───これを皆は
鬼の奇行として切り捨てるかい?」
その穏やかな口調の中には
皆の心の奥底への問いかけが垣間見える。
過去の蓄積された情報ではなく
今、現実に起こっていることを
正面から刮目して見よ、と暗に聞こえた。
「…その少女に関しては不明瞭な点も多い。
信頼に値するかは吟味が必要かと…」
「特例を作れば皆の士気に関わります。
我々は鬼を狩る者……
刀を振るう手に迷いがあってはなりませぬ」
「もちろんだよ。きっと少女もそれを見越して
鬼は悪…けして気を許すな、と
彼らに忠言して去ったのだと思うよ。
……君たちに死んで欲しくなかったんだね」
そう二人の隊士に目を向けると
彼らもおずおずと頷いて同意する。
「だからね……こんなのはどうかな?」
その後──…
輝哉の提案に柱達は戸惑いつつも
他ならぬお館様のご命令とあらば、と従う。
それから間もなく
鎹烏を通じて鬼殺隊の全隊士にも
その異質な鬼についての対応が共有された。
**********
続く
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亜紀野ユキ(プロフ) - 茨の谷の第2王子(ヲタク)←王子がそれでいいのかさん» そちらもご閲覧ありがとうございます(*^ω^) (2022年10月26日 14時) (レス) id: 737b70383c (このIDを非表示/違反報告)
茨の谷の第2王子(ヲタク)←王子がそれでいいのか - リボーンの作品書いてたの作者様だったのですね!あの作品とても面白くて好きです! (2022年9月28日 22時) (レス) id: 304b99e4d1 (このIDを非表示/違反報告)
亜紀野ユキ(プロフ) - Zxcvbnm9090さん» (*´∀`*)ポッ…ありがとうございます!!頑張りますb (2021年11月20日 12時) (レス) id: 737b70383c (このIDを非表示/違反報告)
Zxcvbnm9090(プロフ) - 鬼設定がまず面白い上に主人公のキャラが好きです!!推しのために貢ぐ笑最高でした!これからも楽しみにしてます!! (2021年11月20日 9時) (レス) @page47 id: 2e6009ddad (このIDを非表示/違反報告)
亜紀野ユキ(プロフ) - フランとベルさん» ありがとうございます(*´ω`*)テレッ (2021年11月13日 7時) (レス) id: 737b70383c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:亜紀野ユキ | 作成日時:2021年9月10日 17時