【鬼滅の刃】人生ハードモードでも貴方の生存ルート追い求めます！【煉獄杏寿郎】

十五話　奇妙な出来事 ページ17

現在は預言を元に
その地域を調査中である。

もし本当に始まりの呼吸の剣士の子孫が
住まうのなら鬼殺隊にとって
鬼舞辻無惨を打ち倒す…希望の光。


「必ずお館様に報告してほしいと
　あの少女に託されました」


多くは語らずとも
その者達を保護しろという意図が伝わる。

すると──…


「ふざけるな！！鬼の戯れ言を真に受け
　あまつさえお館様のお耳汚しするとは…
　貴様らは鬼殺隊として恥を知れ…！」


「落ち着きなさい。
　あの、お館様…一つよろしいでしょうか」


怒り心頭に達した柱をなだめつつ
槇寿郎が発言の許可を求める。


「なんだい、槇寿郎」


「つまり、その鬼の少女は
　始まりの呼吸の剣士の子孫の情報を
　我々鬼殺隊にもたらした、と。
　……そうした彼女の目的は何でしょう？
　お館様のご意見をおうかがいしたいです」


これまでの報告を全て真実とした上で
彼はその先を見据えて意見を求めた。

己以上に未来を見通しているであろう輝哉に。


「炎柱はこの話を信じると！？」


「お館様自らが招集をかけられたのだ。
　確固たる証拠あってのことだろう」


絵空事に時間をかけるほど
鬼殺隊…ましてや柱は暇ではない。

話し合うべきは、これが真実なのかでなく
その情報をもたらす意味とは…
少女は何者なのか、ということだ。


「その通りだよ」


輝哉が穏やかに微笑んで続ける。


「槇寿郎の疑問に答える前に
　隠からの報告も合わせて聞いてほしい」


そう言うと、二名の隠が現れ
輝哉と柱の面々に深々と頭を下げた。


「はい、事実確認のための調査の結果…
　二人の報告にあった村と
　山一つ挟んだ小さな村と
　そこからもう一つ山を越えた村で
　奇妙な出来事が相次いで確認されました」


そこから、計三つの村で起こった出来事を
彼らは時系列ごとに語り出した。


始まりは半月前──…

その村では、一晩のうちに一つの家族が
跡形もなく消えてしまった。


それは、村でも評判の親切な鍼灸医の両親と
三歳になる娘の三人家族で
絵に描いたような幸せな家庭だったらしい。

それが、ある晩に突然
家の基礎部分から根こそぎ姿を消してしまい
今は三人とも行方知れずに。


「血鬼術の類いか……」


「…鬼、だろうな」


その報告に、柱の面々は鬼の仕業と断定する。

世間一般的には神隠しと片付けられ
実は鬼が関わっている事例は多い。



＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊


続く

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