【鬼滅の刃】人生ハードモードでも貴方の生存ルート追い求めます！【煉獄杏寿郎】

四十六話　しっかり自己PR ページ48

ふぅー……

上手いウソをつくコツは
事実を巧みに織り混ぜることらしい。


「これまで人の血肉に惹かれることなく
　同胞…鬼の血肉ばかりに惹かれました。
　しかし、奴らはもちろん我が君の所有物…
　大変申し訳ございませんでした」


「まあ、そこは良い。
　元より鬼は共喰いするものだ」


恭しく頭を下げる私に
無惨は取り立てて怒りは抱いてないよう。

つまり、呼び出された理由は
人助けしている件ということだ。

まあ、当然と言えば当然か。


「寛大なお心……痛み入ります」


「だが、鬼が人助けなど
　酔狂にもほどがあるのではないか？」


「そうでございましょうか？」


童磨だって
インチキ宗教団体の教祖やってるじゃん！

だったら、鍼灸医やってる鬼だって
一人くらいいてもよくない！？


「なんだと……！」


あ、ヤバい……

「お前は私に意見するのか？」ルートに
なりかねない流れやん。

だけど、怖がったのを
相手に悟られるな……平静を装え！


「……私個人は人の血肉は必要ないので
　特段敵対する必要も謂れもありません。
　ならば、恩を売って私の存在を知らしめ
　奴らの刃を鈍らせるのも一興かと」


そうならないために
鬼に気を許すなって言ってあるけどね。


「随分な自信だな」


「現に、すでに鬼狩りとも接触しました。
　甲斐甲斐しく治療を施すと、
　その脆弱な心が水面のように
　ゆらゆらと揺れ動いておりましたわ」


うふふっ……と、これ見よがしに
悪女っぽく笑って見せた。

あ、これやるんなら
十六歳くらいに見た目偽ればよかった……


悪幼女って誰得？


「それに……私のことは鬼狩りの長の耳にも
　すでに入っていることでしょう」


「──！……なるほど、なかなかに興味深い」


「有り難き幸せにございます」


無惨にとって得しかないよね？

鬼殺隊が私を捕まえたら
私経由で鬼殺隊本部の場所がわかるかもだし
そしたらお館様の居場所が露呈する。

まあ、呪いを上書きされず
鳴女に居場所を捕捉されなければ
そうはならないだろう。


うーん…でも、やっぱり不安だから
鬼殺隊とはまだ距離取っちゃうんだよなぁ…


「だが、貴様はすでに私の呪縛から逃れた。
　そんな鬼を生かす必要がどこにある？」


……デスヨネー……。


この…ひねくれた性格を体現してる
平安時代からの頑固な天パめ！

雨の日にどうしようもなくうねろ！！



＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊


続く

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