三話 山で暮らそう！ ページ5
とりあえず、山に入った。
そこで、今になってだけど
ふと…禰豆子ちゃんや他の人が
鬼になったときと自分の違いに気付く。
鬼化したっていうのに…
私はとても冷静っていうか理性がある。
両親の死体を見ても美味しそうとか
倫理的にアウトな発想が出てこないし
今もケロっとしてるのだ。
もしかして……
私って鬼の中では特異体質…？
五ヶ条のうちの一つ…
人を食べないで栄養補給は
わりと出来そうかもしれない…
「(ぼそっ)…アイテムボックス」
【こちらが空間収納の一覧です】
おおっ！
家にあった一切合切が
リストに整頓されて頭の中に浮かぶ…！
って、ん！！？
なんか…リストの中に
“仔犬”ってあるんだけど！？
「仔犬なんてどこにいたの？」
【押し入れにて就寝中に回収】
それって、もしかして
私の三歳のお祝いに両親が用意してくれた
サプライズプレゼント的な…？
そういえば、わんこほしいって
おねだりしてたし。
「仔犬さん…きみに決めたー！」
──ぽんっ
「わんっ！」
「かっわいい……！」
出てきたのは
くりくりおめめの茶色い小さな柴犬だった。
可愛いという概念を具現化したような
えげつないほどの愛らしさ…！！
しかも、動物の勘で鬼の私を怖がることなく
「散歩？ねえ散歩？？」ってくらいに
ちぎれんばかりに尻尾振ってるー！
「きみの名前は……きなこ！」
不死川さんには申し訳ないが
私、おはぎは…きなこ派なんです。
「わうんっ」
うん、大正初のキラキラネーム(仮)
気に入ってくれたみたい。
これで一人旅をしないで済むよ…
大切な家族をありがとう、
お父さん！お母さん！
そうして、見晴らしのいい高台で
私はアイテムボックスを駆使して
土をごっそり回収して大きな穴を空けて
両親を寝かせて土を被せて埋めた。
お墓というには粗末だけれども
どうか安らかにお眠りください……
あなたたちの娘は鬼の蔓延るおぞましい世を
鬼幼女として生きていきます！
でも、人の道から外れずに
鍼灸医として人を救ってきた二人に
恥じない生き方をするつもりだ。
「……行こっか？きなこ」
「わんっ！」
目尻の涙をきなこがぺろっとなめてくれた。
というか──…
今は鬼滅の刃の皆さんが
どのくらいの年齢の時期なのだろう…
私とどれくらい差があるんだろ…？
いずれは知りたいなぁ…
なんて思いながら夜明けが近いので
木々の鬱蒼とする山奥へと歩みを進めた。
＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊
続く
ラッキーアイテム
ピカピカどんぐり 伊之助に子分と認められます！
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亜紀野ユキ(プロフ) - 茨の谷の第2王子(ヲタク)←王子がそれでいいのかさん» そちらもご閲覧ありがとうございます(*^ω^) (2022年10月26日 14時) (
レス) id: 737b70383c (このIDを非表示/違反報告)
茨の谷の第2王子(ヲタク)←王子がそれでいいのか - リボーンの作品書いてたの作者様だったのですね！あの作品とても面白くて好きです！ (2022年9月28日 22時) (レス) id: 304b99e4d1 (このIDを非表示/違反報告)
亜紀野ユキ(プロフ) - Zxcvbnm9090さん» (*´∀｀*)ﾎﾟｯ…ありがとうございます!!頑張りますb (2021年11月20日 12時) (レス) id: 737b70383c (このIDを非表示/違反報告)
Zxcvbnm9090(プロフ) - 鬼設定がまず面白い上に主人公のキャラが好きです！！推しのために貢ぐ笑最高でした！これからも楽しみにしてます！！ (2021年11月20日 9時) (レス) @page47 id: 2e6009ddad (このIDを非表示/違反報告)
亜紀野ユキ(プロフ) - フランとベルさん» ありがとうございます(*´ω｀*)ﾃﾚｯ (2021年11月13日 7時) (レス) id: 737b70383c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：亜紀野ユキ
| 作成日時：2021年9月10日 17時
