【鬼滅の刃】人生ハードモードでも貴方の生存ルート追い求めます！伍【煉獄杏寿郎】

二百十五話　これ飼っていい？ ページ21

「そうなのか？」


「はい…！共喰いは趣味ではありませんが
　これの容姿と味…あと従順さを
　それなりに気に入っています」


──ぐいっ！

突然堕姫様に襟元を掴まれて前方に傾き
飼い猫の如くその膝元に置かれた。

とくん…って、ときめいてどうする？！


「……なるほど」


私と彼女の顔を交互に眺めて
あごに手を当てながら無惨が思案に耽る。

娘が犬拾ってきて飼う交渉をしてるみたい。


(太陽克服にはより慎重にならねば……
　いっそ堕姫の下に置いた方が目が届くか。
　子供にはちょうどいいおもちゃだろう)


変なもの拾っちゃ(食べちゃ)いけませんと
抹殺する流れにならないよね
…って、そんなオカンじゃあるまいに。


「……良いだろう。これは堕姫のものとする。
　生かすも殺すも好きにするといい」


うおいっ！！

そこは一度飼うと決めたなら大事になさいと
言わなきゃ…って、それオカンや。


「承知しましたわ！」


けど、堕姫様が嬉しそうだからいっか。

飼っていいって言われてよかったねー
…って、やっぱりオカンやないかい！！


「この天…パ……天をも掌握する我が君を
　早くこの目で拝めますよう
　今後もいっそう精進致します」


あっっっぶね…！！
気が緩んで面と向かって天パと言いかけたよ。

二次面接の予期せぬ落とし穴だ。


こうして、現在堕姫様のペットの私は
強制スタートした二次面接を
生きて乗り越えられたのである。



＊ ＊ ＊



「こっちへ来い」


「はい、ただいま…！」


無惨の姿が完全に見えなくなって
安堵から深く息を吐くと
不機嫌そうな蕨姫様に呼びつけられた。

促されるままそばに腰下ろすと
彼女は私の腿を枕にしてどかっと寝転んだ。

やだ可愛い…！お疲れかしら？


───ぼふっ

その恰好があまりにも寒そうで
アイテムボックスから布団を出す。


「……何のつもり？」


「女の子は身体冷やしちゃダメですよ」


よく似合うけしからん恰好だけど
お腹が冷えそうで心配だ。


「寒さなんて感じないわよ」


「鬼であっても私は寒く感じます」


身体的というより精神的にかな？

限界がきたら愛犬のお腹に顔を埋めます。

殴られるのを覚悟して
そっと頭を撫でると少し瞳が揺らいだものの
堕姫様はされるがままだった。


大丈夫……これでもちゃんとわかってるよ。

これはみんなが来るまでの時間稼ぎで
犠牲のない均衡なんて続かない。

彼女と共にある日々はまやかしだって。



＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊


続く

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煉獄先生　歴史と教育への熱心な姿勢にうっとり！黒板じゃなくて先生だけを見つめちゃうと怒られるよ

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