【鬼滅の刃】人生ハードモードでも貴方の生存ルート追い求めます！伍【煉獄杏寿郎】

二百十四話　堕姫様を巻き込め ページ20

ハリボテでも出来る女を
演じてみせよう！


「日中の活動が困難なのはご存知の通り。
　しかし、幼い頃より毒物を服用して
　耐性をつけるように陽光もまた克服可能と
　愚考した私は積極的に日中出歩きました」


鬼殺隊に狩られる心配のない私は
気怠いけど昼間もわりと行動している。

厚着と日傘は必須だけどすごくない？


あと、くしゃみは出るけど
藤の花や稀血の匂いにも
あまり反応しないのがちょうどいい強みだ。


「初めのうちは酷い倦怠感を覚え
　体表を二割ほど焼いて死にかけました。
　その折に…お預かりした連絡手段を
　焼き尽くしてしまいましたの」


目玉スマホなんスけど
水没ならぬ日没しましたわ、サーセン…って
ついに言えたぞ十年前に考えた言い訳。


「しかし、検証を重ねたことにより
　現在では直接陽光にさえ当たらなければ
　日中の活動は一切制限されません」


ほんとは元々そういう特異体質だし
体表を二割焼いた事実なんてのはない。

けど、十年間苦行を耐え忍んで
太陽克服に一歩ずつ近付いた
努力と健気さを天パに印象付けるのだ。


そうすれば下弦のように
→この無能め
→お、お助けを…っ
→グシャアッ！！…とはならないはず。


「体質に僅かな変化が起きたのか
　藤の花への耐性もついたようです。
　こちらはまだ検証が足りませんが…」


ちなみに、しのぶさんからもらった毒が
アイテムボックスに大量に入ってる。

これはきっとこれからの戦闘に役立つだろう。


「…して、共喰い鬼。
　貴様は今後どう私の役に立つと言う？」


ここでは絶対答えを間違えられない。

無惨は新しいもの好きのくせに
変化を嫌い不変を好むという
矛盾した価値観を持つミスター理不尽だ。

平安の世から不変の天パをうねらせてろ！


「しばしご猶予を頂きたく存じます。
　この十年での変化は微々たるものでした。
　それを踏まえ、向こう十年同じ環境で過ごし
　現在との差異を知りとうございます」


効率重視の奴の心証を良くするため
明確な期間と説得力のある理由を提示し
具体的な構想を語る。

さらに、


「なお、現在堕姫様が継続的に私の血肉を
　口にされています。それよって彼女に
　何らかの変化が起こる期待もございます」


作戦名…“堕姫様を巻き込もう”！

表面的には褒めるけど
無惨は堕姫様を頭の悪い子供と思ってる。

つまり、おだててやる気を出させるけど
積極的に関わろうとしないはず。



＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊


続く

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