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百十三話 最終選別へ…!! ページ17

だけど───…

もし死期を悟ったのなら
子を残すことよりも
私はきなこにそばにいて欲しい。


仔犬はめっちゃ見たいけどね。


「きなこーっ!!
 子をこさえていつでも出戻ってこーい!!」


「だから…ご近所で噂になるって!」


溢れだした感情のまま叫んだら
真菰さんにおでこを弾かれた。

わりと痛いけど、むしろご褒美です!


「男気のある見上げた覚悟の犬だな…」


「すみません錆兎さん。きなこは女の子です」


そこは男気ではなく姐御肌と言ってくれ。


「それは失礼した…。よし…!
 休憩を終えたらまた打ち合うぞ、炭治郎」


「はい…!」


そうして炭ちゃんと錆兎さんは
また山の方へ出掛けていった。

この…背中で語る系お兄ちゃん感のある
兄弟子の指導…すごい胸熱でええな。


「炭ちゃんの前では賢い姉でいたいのに
 情けないとこばっかり見せちゃうなあ…」


「賢い姉は、もう無理だと思うよ」


「え…」


真菰さんったら…たまに辛辣〜。


「おちゃめで危なっかしい姉なら
 ばっちりだよ、Aちゃん」


「うん……頑張ります」


剣士としては弱くても…
姉としては頼りなくても…

いざとなったら鬼の生命力フル活用して
盾になるくらいはできるんだから!


覚悟しやがれ、死亡フラグ!!



* * *



やがて、私は十六歳を迎えた。

炭ちゃんも十五歳となって
最終選別を受けるための条件……
大きな岩をついに斬ることができたのだ。


「ぐっ…まさかこの俺を斬るとは……
 しかし、俺は大きな岩四天王の中で最弱だ!
 貴様は奴らに勝てるかな…ハハハッ(裏声)」


「A姉ちゃん…楽しそうだな」


うぐっ…!

真っ二つになった大きな岩の気持ちになって
アテレコしてたら炭ちゃんに見られてた!

私の黒歴史は現在進行形で書き足されてく。


あ…こういうとこが賢い姉になれない所以か。


「炭ちゃんなら大丈夫って信じてるけど
 何が起こるか分からないから油断しないでね」


「絶対に戻ってくる」


この半年で伸びた髪の毛を
さっぱり切り揃えて
炭ちゃんが最終選別へと向かった。


「……Aの預言した未来になれたか?」


「なれました」


見送った炭ちゃんが見えなくなると
隣の錆兎さんがぽつりと呟く。


「あれを倒すのは炭治郎なんだな」


「はい…!」


手鬼を倒すのは炭ちゃんの役目。

そして、彼を心から憐れんで
来世の幸せを願ってあげられるのも
きっときみだけなんだ。



**********


続く

百十四話 おはよう、眠り姫→←百十二話 突然の別れ…


煉獄さんコレクション

煉獄先生 歴史と教育への熱心な姿勢にうっとり!黒板じゃなくて先生だけを見つめてしまうと怒られちゃうよ?


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亜紀野ユキ(プロフ) - 美奈さん» 共感アザースっ!! (2022年9月6日 7時) (レス) id: 737b70383c (このIDを非表示/違反報告)
亜紀野ユキ(プロフ) - *舞夜*さん» どうもです(´ω`*)近々更新します!! (2022年9月6日 7時) (レス) id: 737b70383c (このIDを非表示/違反報告)
美奈(プロフ) - 続編…!!楽しみです!夢主ちゃんの言動がいちいちそれなすぎて(?)ニヤニヤが止まらない…(*°ω°*)これからもお待ちしてます!応援してます! (2022年9月5日 23時) (レス) @page50 id: 654a1bab90 (このIDを非表示/違反報告)
*舞夜*(プロフ) - もう再会編、たまらないです!! 気絶するのがすごく親近感湧きます!!! これからも頑張ってくださいo(`・ω・´)o 続編待ってます!!!! (2022年9月5日 15時) (レス) @page50 id: d349d12c8d (このIDを非表示/違反報告)
亜紀野ユキ(プロフ) - 綺羅さん» ありがとうございます!推しの多量摂取は危険ですから(´∀`)キャッ (2022年8月21日 12時) (レス) id: 737b70383c (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:亜紀野ユキ | 作成日時:2022年3月3日 9時

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