七十八話 子供なら許される ページ31
「しかし…これまでの行いと
今日の振る舞いを見ては
私も認めざるを得ません」
私の頭がすっぽり包まれる大きな手で
そっと頭を撫でられた。
少しでも力を加えられたら
簡単にグシャア…といきそうだけど
猫を撫でるようなとても優しい手つきだ。
「これからよろしくお願いします!」
私がそう言うと、
悲鳴嶼さんが涙を流しながらこくりと頷く。
盲目であるその目の治療を申し出たけど
それは丁重に断られてしまった。
これまで視覚情報がないからこそ
他の感覚が恐ろしく鋭くなって
彼はこの強さを得たんだもんね。
「しかし、Aちゃん……
本当にこれからも一人でいるのかい?
鬼殺隊が保護することも出来るのだぞ?
堅苦しいのが嫌ならば…我が煉獄家でも……」
「それは恐れ多いですっ!!」
杏寿郎さんと四六時中
一緒にいたらどうなると思う?
たぶん…いや、確実に死ぬ!!
死因──…推し過剰摂取ですよ!?
「うまく言えないけど
今はまだそのときじゃなくて……
でも、また絶対会いに来ます!」
療養所を介して、何かとやり取りは出来るし!
定期的にお館様の往診に行きますし!
やっぱり私は原作スタートまでに
出来ることをやっておかなくちゃ…!
「はあ……っ(無理強いは出来んな…)
……いっそ、このままうちの子にしたい」
はいっ!喜んでーっ!!
…って、うっかり返事しそうになる。
「あの…っ」
代わりと言ってはなんですが、
今のうちに厚かましいお願いをしてみよう。
「槇寿郎おじさまって呼んでいいですか?」
「好きに呼びなさい」
よっしゃ!!
ご本人から許可もらえたぜ!
「はい、おじさま…!」
ぱあっと、満面の笑みが溢れる。
お別れの時間まではおじさまの
匂いと温もりを堪能して記憶に刻もう!
(連れ帰った方が…瑠火も杏寿郎も千寿郎も
皆、喜ぶと思うのだが……)
子供の特権ってやつは
使えるときに使っとくモンだよね?
おじさま大好きぃ……!
* * *
【目線なし】
煉獄家の縁側にて──…
「…──ということで、
家に連れ帰ることは出来なかったが
いずれ会えるだろう」
「それは待ち遠しいです」
瑠火と槇寿郎が並んで腰掛け
刀を振る杏寿郎を見守りながら談笑する。
握られた色変わりの刀は杏寿郎の手によって
すでに美しい赤で彩られている。
鍛練に励みながらも彼は
楽しげな両親の会話に無意識に耳を傾けた。
**********
続く
ラッキー人物
煉獄杏寿郎 一目見ればそれだけで運気もテンションも体温も動悸も血圧も爆上がり!!死なない程度に盛り上がろう!
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亜紀野ユキ(プロフ) - 広海さん» どうもです!! (2022年2月23日 9時) (レス) id: 737b70383c (このIDを非表示/違反報告)
広海 - とても面白いです!続きが気になります。頑張ってください! (2022年2月21日 14時) (レス) @page44 id: 07ce481f94 (このIDを非表示/違反報告)
亜紀野ユキ(プロフ) - 茜さん» どうも!!!頑張ります(´ω`*) (2022年2月14日 20時) (レス) id: 737b70383c (このIDを非表示/違反報告)
茜(プロフ) - 楽しみに読んでいます!実に最高ですね(笑)体調崩さないよう応援してます✨ (2022年2月14日 19時) (レス) id: 1b144ebba8 (このIDを非表示/違反報告)
亜紀野ユキ(プロフ) - みこちさん» 嬉しいデス!!忍たま良いですね(*´∇`*)私は水練の舳丸さん推しです (2022年2月12日 9時) (レス) id: 737b70383c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:亜紀野ユキ | 作成日時:2021年11月26日 21時