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『すごいわね...』
「お似合いです」
髪をしてもらったら、大野は部屋を出て行って、
次に顔を合わせるのは、夕食。
昔は、遊び相手が欲しくてついて回ったこともあったけれど、
執事のお仕事って、本当に大変らしい。
『勉強しよ』
カバンから、勉強道具を取り出した時、
ふと、目に入ったのは、家族写真。
『、』
さっき、大野と話してちょっと落ち着いたはずなのに、
もやもやと、黒いのが広がる。
恵まれてるって、まわりからみたら。
分かってる、分かってるけれど、
「A？」
『ん、』
「どうした？大野が心配してたけど...」
ノックと一緒に入ってきたのは、お兄ちゃん。
お兄ちゃんとは仲良しなの。
自分で言うのもあれだけど、ブラコンシスコンで相思相愛だし。
『お兄ちゃん...』
「ん？」
手を伸ばすと、お兄ちゃんが近づいてきて、
ぎゅ、って抱きしめてもらって、は、と息を吐いた。
『お母様は、いつ病気が治るの...？お父様は、いつお家に帰ってくるの...？』
「A、」
時々、突発的に、いい子を辞めたくなる。
いや、もともと好き嫌いが何に対してもはっきりしてるけど、
それは隠してるもん。
「母さんの、お見舞いに行くか？」
『ん、』
「父さんは、どうしよっか、秘書の中村さんに連絡とってAが寂しがってることを伝えてもらって...」
『ん...』
「大丈夫、分かってるから。Aが寂しがりやなこと」
『寂しがり屋じゃないもん...』
「また(笑)そんなこと言って」
お兄ちゃんは、こうやって、いつも助けてくれる。
...私の婚約者も、こういう人だったらいいのに。
お母様は、私が中学校に入学したくらいからずっと病気で、
全然治らなくて、
お父様は、その寂しさを埋めるように、仕事に没頭するから、
お家に帰ってこなくて。
この、いらないくらい広いお屋敷には、
私と、お兄ちゃんの2人。
お金で買えるものは全部手に入る。
だけど、私の欲しいものは、
手に入らないものばかり。
神様、どうか、私に普通の幸せをください。
皆と同じでいいんです、
人より多くは何も望みませんから、
お願いします、
どうか、私に、普通の幸せをください。
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あきんこ(プロフ) - ゆかりさん» 先生照れちゃいますよ(笑)いつも見ていただいて嬉しい限りです。 (2018年9月12日 17時) (
レス) id: 11450d0470 (このIDを非表示/違反報告)
ゆかり - 櫻井先生大好きです (2018年9月12日 10時) (レス) id: 8447f08366 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：あきんこ
| 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/personal.php?t=akinko0125
作成日時：2018年9月5日 19時
