推し変したら好かれた【2434】【akn】

dtwn . 17 ページ18

三枝明那side



まゆから大体の説明をされた。

«きっと明那のこと嫌ってないから、落ち着いて話してきなよ»

その言葉が、どれだけ今の俺の支えか。

流石俺の親友なんだよな。ありがとう。



『あの…こんにちは』

明那「っ！？」



ぼうっとしていたら、前に誰かが腰掛けた。



『えっと、お久しぶりです？』

明那「ｯｽーー、そっ…うﾃﾞｽﾈ」



うわぁどうしよ、いざ目の前にすると全部トんだ。

自分から呼び出しておいてかっこ悪い。



明那「急に、呼んだのに…来てくれてありがとう」

『こちらこそ前は態度悪くてごめんなさい』



そう言ってお互い頭を下げる。
あぁ顔を上げたくない。気まずい。

ゆっくり顔を上げて、今日初めて彼女をまともに見た。

可愛いなんて思い尽くしたけど、その服は…



『ちゃんとした正装？じゃなくて申し訳ないです』



でもアッキーナに会うならこれかなって、と目を伏せる藍河さん。

その呼ばれ方１つに、まだ希望を感じてしまう俺ってなんなんだよと思う。



明那「その服、ライブに着てきてくれてた奴…ですか」

『！…そうです、一番新しいライブに』

明那「ツイッターで、参戦コーデタグ巡回してて、たまたま、見ました」


どうしても言い訳がましくなってしまう。
ストーカー並みのことなんてとっくにしてきたというのに。

まだ…彼女に嫌われたくないという気持ちが顔を出す。

あぁ、ダメだ。
俺が埋め尽くされていく。

今日は取り乱さないって決めたのに。

ぐちゃぐちゃのよくわからない感情に、染まる。



明那「俺なんて、推せ…ない、ですよねっ…」



ぽたぽたと、溢れ出した透明な液体がテーブルを濡らした。

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