推し変したら好かれた【2434】【akn】

dtwn . 11 ページ12

今日が土曜日でホントに良かった。

そう思いつつ目を開ける。

まゆゆ…昨日配信してたんだ。

……アッキーナも。

いつもは飛びつく筈のまゆゆの配信も、今日はそこまで気乗りしない。



藍河 @ _aikawa

まゆゆの配信見逃したからちゃんと見なきゃね。



プライベートの垢で、そう呟こうとして結局全部消した。

アッキーナがこの垢を知っていてツイートを見られる環境だと思えば、今更だけどツイートする気になれないんだよね。

優しさでもなんでもない、ただの私のエゴだけど。

そのままベッドでうつ伏せていると、一件のメッセージが届く。

その相手は…黛、灰。



『まゆゆな、わけ…』



流石にそれはないと思ったけど、どこかそれを信じながらメッセージを開ける。



黛灰«突然連絡してごめんなさい。連絡先は不破くんから聞きました。今大丈夫ですか»



結論を言うと、疑ったって仕方ないということに行き着いた。

事実、不破くんの名前出てるところに信憑性が有りすぎるなぁ。

推しから連絡が来たというのに、私はやはりどこか他人事としか感じられない。
昨日から非日常的なことが立て続けに起こってるから価値基準がバグってるのかもね。



«いえいえ全然大丈夫です»

黛灰«有難うございます。»

«それで、わざわざ連絡を下さったのはどうしてでしょうか？»

黛灰«それは昨日の件についてなので、もし不快でしたら拒否していただいても大丈夫です»

«不快などは少しも感じてませんのでご安心下さい。一旦お話をお聞かせ願えますか»



推しとラインをしてる事実も、普段見られないまゆゆの敬語も、その相手が私という一介のリスナーであることも、すべて可笑しく感じる。



黛灰«早速にはなりますが、三枝明那のことで»

黛灰«昨日から彼の落ち込みようが、目も当てられないので連絡をさせて事情をお聞かせいただきたい次第なんです»

«ということは落ち込んだ原因は少なからず私にあるのですね»

黛灰«はい。本人から断片的に聞いた話だと昨日の藍河さんとの対面が余程堪えたらしくて。こっちから詰め寄っていったのにすみません»

«大丈夫です。昨日の私も丁寧な対応というには余りにも酷い態度でしたし…»

黛灰«いえ藍河さんが気になさることではないので。»

«有難うございます。お気遣い感謝します»

黛灰«いきなり本題に入るようで申し訳ないのですが»



あぁ、やっぱり来るよね。

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