推し変したら好かれた【2434】【akn】

dtwn . 10 ページ11

私は不破くんとまゆゆから少し離れたところで腕を掴まれるがままになっている。

アッキーナは押し黙ったまま。

仕方ないので私から口を開く。



『朝にも、お会いしました、ね』



多少ぎこちないくらい許してほしい。
本当は私だって無言を貫き通したいんだから。



明那「…うん」



朝とはうって変わって、何も話さないアッキーナ。

じゃあなんでひき止めたの…？



明那「…あ、の…藍河さ、ん」

『？』

明那「もっもう俺のこと……！好きじゃない…？」



さっきよりかは大きい声で尋ねられた。

なんで藍河という名前を知っているかとか思うところはたくさんあるけど…。

なんでアッキーナがそんなに泣きそうな顔するの…？



『えっ…と、あの』

明那「もう推せない？俺のこと嫌だ？」

『そっ…！そんなこと、』

明那「だって、だってもうリプもくれないし！FAも投げてくれないし！メン限だってきてくれないし、俺に関するツイートだって無くなったし…！」

不破「あきなー？Aのこと困らせるのはダーメ」



いつの間にかこちらに来ていた不破くんが一旦ストップをかけてくれる。

アッキーナはまたうつむいてしまった。



『嫌いなわけ、……ないじゃないですか』



それだけしか言わなかった。言えなかった。

そのまま後ろを向いて、足を進める。

アッキーナがその言葉に反応して顔をあげた気がしたけど、振り向くことはしない。

なんで今日はこんなことになっちゃったんだろ。

カオス。混沌としか言い表しようがない一日で。






まゆゆに会えた嬉しさより何より、過去の傷が浮き彫りになった感覚の方が強くて心地悪い。

今日アッキーナが言っていたことは全部真実。
フォローこそ外していないものの、彼の投稿にも配信にもツイートにも触れてはいない。

私はもともとアッキーナのリアコ。

もう…降りたけど。






嫌いなわけない。
それが今言える心からの真実。

dtwn . 11→←dtwn . 9

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す