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「...まあ、断りづらいのは分かるが、美琴さんはそんな事言わないと思うし、むしろ自分の想いをしっかり伝えた方が良いんじゃないか?」
「...そっか...うん、決まった。次会った時きちんと返事を返す」
「じゃあ、一つ解決だな。次は...カナヲの事か」
すると、さっきまで苦笑いしていた炭治郎だったが、一気に呆れ顔になっていた。
なんでだろう、と思ったが、今は解決させる事が一番だ。後回し後回し。
「なんで...いきなり接吻なんてしたんだろう」
「幸。本当に気付いてないのか?」
「え、なにが?」
「...いや、なんでもない」
炭治郎ら、はぁ、とため息を吐く。え、マジででなんのこと?なんかしたっけ。
「...その件で言うと、もう一度きちんと告白をすればなんとかなると思うぞ」
「..........分かった。もう一回、きちんと言う」
俺がそう言うと、炭治郎は目を見開いていた。
まあ、驚く気持ちも分かる。だって、善逸ほどではないが、俺も充分弱虫のヘタレだ。
そんな俺が「やる」と断言したんだ。そら驚くだろう。
「ほんとか?絶対だな?」
「う、うん。頑張って言って振られてくるよ。そんで、キッパリ諦める」
「...いや、それはないと思うぞ...」
「ん?なんか言った?」
「な、なんでもないぞ」
絶対なんでもなくないだろその顔。わざとかっていうくらい顔変だぞ。
「じゃあ、次はしのぶさんの事か。...でも、『師範の様子が可笑しい』って言われても解決のしようが無い気がするんだが」
「確かに」
でも、可笑しいのは確かだ。前も、なんか紫色の飲み物みたいなの飲んでたし...。病気だったりするのかな。
けど、毎日一緒に居る俺と違って、炭治郎は月に一度くらいしか会わない。そら気付く訳ないか。
「....うん。じゃあ、この件は大丈夫」
「そうか?なら、他に相談する事も無いし、雑談でもしよう」
「そだな」
──
あれから数日が経ち、アオイさんから屋敷に美琴さんが来たと聞いた。
あ〜、とうとう返事を返すのか...。胃が痛い...。
胃の辺りを触ってなんとか気分を紛らわせようとしていると、どこからか足音が聞こえた。
誰だろ。ま、まさか、美琴さんなんて事はない..よね?
「幸くん!」
フラグ回収してしまった...。
「美琴さん。話があるんでちょっと俺の部屋に来てもらえませんか...?」
話がある、と言ったら、美琴さんは分かりやすいように顔を曇らせた。
「うん...分かった」
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天の川(プロフ) - 5回目以上の読み返し。はぁ…最高すぎるわ…てか主さん主さん!カナヲは僕の嫁ですよ!!(真剣)(笑) (2022年2月28日 13時) (レス) id: 2d6957fece (このIDを非表示/違反報告)
ゆいな(プロフ) - うわあカナヲちゃん好きなので最高です!! (2020年8月14日 18時) (レス) id: ec54d11116 (このIDを非表示/違反報告)
レイン - 遅くなりましたが完結おめでとうございます!!幸くんの最後の台詞にやられました!幸くん、男前やん。もうものすごいにやにやしてましたw気持ち悪いぐらいにwお疲れ様です! (2020年5月28日 12時) (レス) id: 05e6c43b69 (このIDを非表示/違反報告)
ちゃんちゃんこ - お疲れ様です!別垢見つけたら絶対に作品見ます!! (2020年4月28日 17時) (レス) id: cf6601d86b (このIDを非表示/違反報告)
かたつむり。(?)(プロフ) - 宙さん» 暖かいコメント、ありがとうございます‥‥。叩かれる覚悟で言ったのに、そんな優しい言葉をかけてくださり、本当にありがとうございます‥‥!涙出ます‥‥! (2020年4月27日 22時) (レス) id: 40246c291e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:かたつむり。(?) | 作成日時:2019年12月22日 8時