31余所見:追記 ページ37
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「あちゃー、無いか〜...」
任務にて怪我した腕を治療しようと救急箱を探したが、どうやら部屋には無いらしい。
流石に血とか出てるから、治療はしたいんだけども...。
はぁ、とため息を吐きながら自分の腕とにらめっこする。
なんで怪我したんだ!と威嚇しても、傷が治る訳でもなく。
むしろ手拭いが真っ赤に染まるほど悪化している。
とりあえず、包帯だけでも巻きたい...。
重たい足を動かして、救急箱のある場所へと向かった。
──
お、ここかな。
何分か探していると、それらしき箱を見つけ、中身を確認する。
包帯、消毒、謎の薬....お、救急箱だ。
どうやら、神様は俺を見捨ていなかったらしい。日頃の行いが良いお陰かな。
中から一つ包帯を取り出し、早速巻き始めようと手拭いを剥がしていた時だった。
「幸?その腕...怪我してるの?」
───心配させちゃうから、今は誰にも会いたくなかったはずなのに。
なんだろうな、
この胸の高鳴り様は。
「───カナヲ。まだ寝てなかったんだ」
「わ、私も任務だったから」
慌てながらもしっかり言葉を伝えてくる。
以前まで自分の意思を伝えるのを苦手としていたのに。
嬉しいはずなのに、凄く胸が痛い。
それはやっぱり、炭治郎のお陰なのか──?
...あー。今日はやっぱりダメだ。
いつもは、こんな風に考えたりしないのにな。
きっと、焦ってるんだ。
幸せな生活が壊れてしまいそうだから。
その中には、美琴さんのこと、カナヲのこと、───師範のこと。
色々な事が積み重なって、辛い。
そんな俺の様子をおかしいと思ったのか、カナヲが俺との距離を縮めてくる。
そうすると、この前のことを思い出し、自然に俺の視線はカナヲの唇へ...。
ボンっと音がするくらい、一気に顔が赤くなる。
「幸、顔 真っ赤」
そう言ってカナヲは、悪い顔で笑った。
「さっきから手隠してるけど、バレバレだよ。包帯巻くから早く」
「あうん...」
カナヲの勢いに流され、包帯を巻いてもらうことに。
───あれ?
カナヲは、確か、お世辞でも器用と言えなかったはず。
包帯を巻かれた腕を見ると、...その、まぁ...いびつでした。
「....上手くいかない...」
「だっ大丈夫だよ!俺自分でやるからさ!」
「....いいの!やらせて」
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殿堂入りしました!ありがとうございます!
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天の川(プロフ) - 5回目以上の読み返し。はぁ…最高すぎるわ…てか主さん主さん!カナヲは僕の嫁ですよ!!(真剣)(笑) (2022年2月28日 13時) (レス) id: 2d6957fece (このIDを非表示/違反報告)
ゆいな(プロフ) - うわあカナヲちゃん好きなので最高です!! (2020年8月14日 18時) (レス) id: ec54d11116 (このIDを非表示/違反報告)
レイン - 遅くなりましたが完結おめでとうございます!!幸くんの最後の台詞にやられました!幸くん、男前やん。もうものすごいにやにやしてましたw気持ち悪いぐらいにwお疲れ様です! (2020年5月28日 12時) (レス) id: 05e6c43b69 (このIDを非表示/違反報告)
ちゃんちゃんこ - お疲れ様です!別垢見つけたら絶対に作品見ます!! (2020年4月28日 17時) (レス) id: cf6601d86b (このIDを非表示/違反報告)
かたつむり。(?)(プロフ) - 宙さん» 暖かいコメント、ありがとうございます‥‥。叩かれる覚悟で言ったのに、そんな優しい言葉をかけてくださり、本当にありがとうございます‥‥!涙出ます‥‥! (2020年4月27日 22時) (レス) id: 40246c291e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:かたつむり。(?) | 作成日時:2019年12月22日 8時