検索窓
今日:2 hit、昨日:6 hit、合計:103,719 hit

27余所見 ページ33

.



あの後、無言のまま二人で蝶屋敷へと戻った。


お互い気まずくて、本当に一言も話をしなかった。


だから、速く蝶屋敷につけ〜..と心の中で思っていたが、着いたら着いたでカナヲの泣いた跡を見た師範に「後で私の部屋に来て下さい」と笑顔だけど怒ってる顔で言われる始末。


そして、今まさに師範の部屋へ向かっている最中。


一歩一歩が重くて、歩きづらい。


とうとう師範の部屋の前まで来る。


思い出すのは、走馬灯。


俺が昔、バナナの皮を踏んで転んだ場面をちょうど師範に見られていて鼻で笑われたり、カナヲの羽織が木に引っ掛かったからカッコつけて取ろうと木に登ったら、木から見事に落ちて怪我して、そのあと見事に師範がカナヲの羽織を取っていたこと。全部、懐かしいな────って、これ俺の黒歴史じゃねーか。



.....気を取り直して、一度深く深呼吸をし、襖をコンコンと軽く叩いた。






「師範。俺です俺俺」


「はい、どうぞ」







あぁ、最後に禰豆子に会いたかったな....。


「失礼しまーす....」と言いながら恐る恐る襖を開けた。


少しだけ開いて中を覗くと、そこには、隊服をキチッと着こなし、筋の通った良い姿勢で正座をする師範の姿が。


きっと、これから任務なのだろう。近くに日輪刀が置いてある。


なら、速く話を始めてしまわないと...。


師範に向き合う位置に腰を下ろし、正座をする。





「もっと気を抜いてもらって構いませんよ」


「え...あ、いや、大丈夫です...」


「そうですか...それじゃあ、」







「早速本題に入りましょうか」という言葉を聞くことにより、俺の緊張がMaxとなった。


更に体が強張るのが分かる。






「何でカナヲに泣いた跡があったんですか?」



「まぁ、それは...かくかくしかじかとでも申しましょうか....」


「それじゃあ分かりません。しっかり説明してください」






師範に説明を要求され、一部始終を話した。


美琴さんに告白されたこと、それを「誰か」に見られていたらしく、口封じのためにもその「誰か」を追っていたら、それがカナヲだったこと。そして、何故か泣いていて、いきなりキスされたこと。


全部説明した。




.

28余所見→←26余所見



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (145 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
197人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

天の川(プロフ) - 5回目以上の読み返し。はぁ…最高すぎるわ…てか主さん主さん!カナヲは僕の嫁ですよ!!(真剣)(笑) (2022年2月28日 13時) (レス) id: 2d6957fece (このIDを非表示/違反報告)
ゆいな(プロフ) - うわあカナヲちゃん好きなので最高です!! (2020年8月14日 18時) (レス) id: ec54d11116 (このIDを非表示/違反報告)
レイン - 遅くなりましたが完結おめでとうございます!!幸くんの最後の台詞にやられました!幸くん、男前やん。もうものすごいにやにやしてましたw気持ち悪いぐらいにwお疲れ様です! (2020年5月28日 12時) (レス) id: 05e6c43b69 (このIDを非表示/違反報告)
ちゃんちゃんこ - お疲れ様です!別垢見つけたら絶対に作品見ます!! (2020年4月28日 17時) (レス) id: cf6601d86b (このIDを非表示/違反報告)
かたつむり。(?)(プロフ) - 宙さん» 暖かいコメント、ありがとうございます‥‥。叩かれる覚悟で言ったのに、そんな優しい言葉をかけてくださり、本当にありがとうございます‥‥!涙出ます‥‥! (2020年4月27日 22時) (レス) id: 40246c291e (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:かたつむり。(?) | 作成日時:2019年12月22日 8時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。