【うたプリ】近くて遠い。【来栖薫】

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春。




桜の季節。




駅までの桜並木を自転車を転がしながら歩く音の隣を歩く。

　


　

　


　


去年、目を奪われた彼女とは同じクラスで、


　
『如月』と『来栖』で席が前後。


　



仲良くなって、今では一緒に登校するほどに。


　

　

　

　


　

そして、




今日から新学期、高校2年生になる。







　
　









風が吹くたびに降ってくる桜の花びら。


それと同時になびく音の長い髪。


　

　



　


そして、ちょうど一年前と同じ光景が、
　

　
僕の目の前に広がった。
　



　



ピンク色の桜と少し薄めのエメラルドグリーンの音の髪色が


不思議な世界観を漂わせ、



音が自分の世界に入ってる時の目をつぶった横顔が


その風景と重なる。


　



　





あまりにも綺麗なため、思わず息を呑む。





このままじゃ、自分で何するかわからないから

音の邪魔をした。



　

　


薫「あぁ〜！音、また自分の世界に入ってる〜！！」


「・・・・・・・・薫、嫌い。」

薫「えぇ〜、酷くない？(笑)」


　



嫌いって言われた・・・・・。





ちょっとショック・・・・。









薫「クラス、楽しみだなぁ〜！また音と同じクラスだといいなぁ〜」

「うん、そうだね」





わぁ、ちょーテキトーに返されたー。

　




薫「音もそう思ってくれるの？嬉しいなぁ〜」

　

　


　

なんて明るく振る舞ってみる。
　

　

　


　


「・・・薫はさ、翔ちゃんの病気が治ったわけじゃん？」

薫「うん。どしたの？急に」

「・・・薫は、それでも医者になりたいの？」




　



急に話してくれるとおもったら、予想外の質問・・・・



　



確かに、翔ちゃんの病気も治ったし、

あまり、ここにいる理由はないかな・・・

　

　





でも、


薫「・・・・・・・うん。なりたい。翔ちゃんと同じ病気の人を助けたいからね！」

　

　


　

　

本当は、それだけじゃなくて、

　


音がいるからでもあるんだけど。


　

　



「・・・・・・うん、そっか。頑張れ」

薫「！！・・・うん、音もね！」

　

　

　


『頑張れ』・・・・・

　


　

　


嬉しい！！！


　

　



　


　



そういえば、音がこの学校にいる理由

聞いたことないなぁ〜。





　


　

ま、いっか！！

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