27話 ページ29
────キィィン!
────……バンバンッ!!
『……っ…!』
これじゃ拉致が空かない…。
足にも傷を負っている上に多量の血を流して力が入らない左腕を右手で押さえながら男を見る。
『治りがおせぇ…何か刃先に塗ったな (ボソッ
(だけど、向こうも相当の
「お前みたいな化け物が…! 俺の命令に黙って従ってねぇから……!!」
振り下ろされる鎌を避け相手の背中に回り黒く尖らせた布で背中に深い傷を斬り込む
男は悲痛な声をあげ振りかざすも俺は横にかわす。
『…そんなんじゃ当たんねぇぜ?』
「黙れ…黙れ黙れ黙れぇぇぇぇぇ!!」
ブワッ! と先程よりも殺気が溢れだす
其れによって鎌は感情と共に変形し薙刀へと形を変えていく…
ドカァァァン!───
「…道具として唯黙って聞いてりゃあ……彼処で俺はな、死ななかったんだよ!」
────パリィィン!
窓ガラスの破片が床に散らばり、 バリッ!バリッ!
と音をたてながら此方へ突っ込んでくる。
『(所有者の感情と共に変化する武器っ…てか
……ある意味、あれ使い方さえマスターしていたら戦闘は無茶苦茶有利だな)』
そんな呑気なことを考えていると……
突然勢いよく倉庫の扉が俺達の方にぶっ飛んできた
「
『来るな!!』
「……っ!」
中也さんが此方に向かおうとするが俺は荒々しい声をあげ足を止めさせる。
「……チッ! 邪魔が入りやがったか。
だが、んなもん関係ねぇよ。
俺は
『…
俺のズタズタにされた心なんか……分からねぇ…くせに…!
.
自分ばかりが…被害者ぶってんじゃねぇよ!!!』
「───っ!!」
「────っ!!
紅い満月が雲から姿を表すと俺は 待ってたぜ
と云いたげに牙を見せ背中から黒い液体が溢れ流れ出る……
『……ほんっと…向き合えねぇ…』
目を閉じて其のまま黒い沼へと浸かっていく…
中也さんが俺の名前をずっと呼んでいた
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作者名:黒猫 | 作成日時:2018年7月29日 16時