21話 ページ23
脚で女の所持している拳銃を想いっきり高く蹴りあげ
刃を釜のように曲げそして足元を狙い振りかざす其のときだった……
誰か…何処か…聞いたことのある声がビルとビルの裏路地に響いた。
「はーい、其処まで」
その砂色のコートを着て包帯を巻いている青年はぶつかる
寸前の両者の異能力(?)を消し止めた。
「貴方、探偵社の…何故ここに」
「美人さんの行動は気になっちゃう性質でね。
こっそり聞かせてもらった」
包帯さんが盗聴器をプラプラと摘んで振る。
樋口は、ポケットを探ると其処には包帯さんの持っている其れと同じものが入っていた。
「起きなさいよ〜敦君、私三人もおぶって帰るの嫌だよ
君も…大丈夫かい?」
包帯さんが俺を立ち上がらせようとするが俺は自力で立ち上がる
『……大丈夫です』
久々すぎてこれは辛いわ…。
どうしよっかなー。椿兄に拾いに来てもらおっかな…?
此のままだと芥川さんに串刺し若しくは樋口と言われていた女に拳銃で乱射…あ、でも其れはないか。
さっき弾きらしてたし。
二人が会話をしている時に樋口は銃の引き金を引こうとするが芥川さんに無理だと止められる。
「太宰さん、今回は引きましょう。
しかし、人虎と其処にいる "殺戮の黒獣" の身柄は僕らポートマフィアがいただく」
『はっ…捕まえられるか。そんな簡単に…』
「何故?」
「その人虎には闇市で懸賞金がかかっている。
賞金の額は70億…
その "殺戮の黒獣" には250億だ…」
……嗚呼…嫌な呼び名だなぁ…。
「随分景気のいい話だね。
では、武装探偵社と戦争かい?やってみたまえよ。
やれるものなら」
この言葉にキレたのか樋口は怒りの顔を覗かせる。
「…零細企業ごときが我々はこの街の暗部そのもの。
たかが十数人の探偵社ごとき、3日と待たず事務所ごと灰と消える!
我々に逆らって、生き残った者などいないのだぞ!」
「知ってるよ、そのくらい」
「然り……他の誰より、あなたはそれを承知している…。
元ポートマフィアの太宰さん」
冷たく張り詰めた空気。
其れは、彼等ポートマフィアがいる所為か
其れとも太宰が元マフィアだと云う真実が暴かれた所為か、
…だが、彼の昔を見たことのある一人の吸血鬼は其の事を善く知っていた。
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作者名:黒猫 | 作成日時:2018年7月29日 16時