大空に舞う白雪第２章 (ページ26)

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第74話　妹ページ26

コンコン

Aが行儀よくソファーに座って待っていると軽くノックされた。

Aが返事をするとまず入って来たのはアルヴェルト。

父「待たせたね。」

A 「いいえお父様。それより私に紹介したい子って？」

父「おや？まだ入って来ていなかったか？入っていいぞ！」

母「さあ、いらっしゃい。」

A 「？まあ！」

母親のレジーナに手を引かれて入って来たのは少し癖のある黒髪でクリクリとした大きな目も同じ色だった。

どちらもイタリアでは珍しい色合いである。

しかしAはそんなこと気にもせずに早足でその少女の元へと駆け寄った。

A 「はじめまして、私はAというの！あなたのお名前は？」

目を輝かせながらそう問うが緊張しているのかレジーナの足にしがみつき、顔を隠してしまう。

母「あら、緊張しているみたいね。大丈夫よ。この子はあなたのお姉ちゃんになる人なのよ？」

？「・・・お姉ちゃん？」

お姉ちゃん？私がこの子の？

？「あ…アレッタです。」

細くて小さな声だったが鈴のような声は五感の鋭いAの耳にはっきりと聞こえた。

父「アレッタはもともと日本生まれだったのだが、わけあって今日から家に住むことになった。今日から私たちは家族だ。なんの遠慮もいらないよ？」

A 「よろしくねアレッタ！」

最初こそ緊張でおどおどしていたアレッタだったが、明るく優しい家族の心に触れ、新しい環境にもすぐ打ち解けることができた。

Aと二人でよく遊びアレッタがわからないことはすぐに教え、一緒にイタズラをして二人して怒られたり。

もともと姉妹だったかのように仲がよくなっていた。

しかし、二人の仲が深まって行くと同時に劣等感を感じる者もいた。

母「どうしてこんなこともできないの！？あれほど何度も注意したのに！本当に学習しないわね！！」

ア「ごめんなさい。」

アレッタは一般人に比べると勉強も運動も人一倍できた。

しかしホワイト家の血を濃く受け継ぎ、もともとの身体能力も周りより数倍高かったAに勝ることは決してなかった。

続く