大空に舞う白雪第２章 (ページ20)

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第68話　穢れた私と綺麗なあなたページ20

見つめあってから何分経ったのだろう。

それともまだ秒しか経っていないのか。

私たちの周りの空気がやけに重苦しく感じてうまく呼吸をすることができない。

“過去のことを教えてくれないか？”

いづれ聞かれるだろうと分かっていた。

きっとジョットなら気づくだろうと。

気づいてくれるだろうと。

でも、私の考えが甘かった。

私から話すべきだった。

一人で背負っていくと“あの日”決めたはずなのに結局ジョットには甘えていてしまっていた。

ジョットならって・・・。

でも、もう今回ばかりは避けては通れないと。

頭の中でそう誰かが言っている。

けれど、本当のことを言ってジョットは離れて行ってしまわないだろうか。

嫌いにならないだろうか。

私のことをもう親友だと

仲間だと言ってくれないのだろうか。

貴「・・・いずれ、」

貴「いずれ話さなければならないと分かっていました。・・・でも、まさかあなたの暗殺計画まで見破られているとは思っていませんでしたわ。」

貴「・・・さすがジョットですわね。」

どんな顔をしたらいいのかわからなくて口角を上げてみるけど引きつってうまく笑えない。

怖い。

私を見つめるあなたの瞳がただ怖い。

貴「わっ私は・・・たしかにあなたのことを・・・ある人に頼まれて、手にかけようとしていました。

再びイタリアに戻れば、この街に戻ってこれば。あなたに会えると。

でも、あなたたちはあの時と変わらない、優しさで私を受け入れてくれた。そうしてるとあの時の優しさが思い出されてきて・・・・またあの頃に戻りたいと・・・あの時の私に戻りたいと思ってしまった。

するとだんだん自分の気持ちが抑えられなくなってきて・・・私がやらなければってわかっているのに！」

視界が徐々にぼやけていく。

醜く、穢れてしまった私と、いつだってただまっすぐ前を見つめているあなたとの差。

話しているうちに改めて実感させられ前を向けなくなる。

私はいったい何をしているのだろう。

私は何がしたいの。

本当にもうあの頃にはもう戻れないというの？

その時身体が温かいものに包まれた。

続く