大空に舞う白雪第２章 (ページ19)

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第67話　二人の時間ページ19

ジョットSIDE

Aの後を追うように二人でゆっくり海を見ながら砂浜を歩いた。

子供の頃と比べると人も街も随分と変わってしまった。

だけどこの海だけは変わらない。

時間時よって色は違えど、ずっと変わらずここにある。

なくなりはしないもの。

それは俺たちの絆もそうだと信じている。

貴「ここの景色も変わりませんわね。あの頃と。」

Aも同じことを考えていたのか不意につぶやいた。

ジ「あれから10年も経つのにな。」

そう口にした瞬間俺の中のAはまだあの頃のままなのだと気がついた。

今みたいに敬語じゃなく女の子なのに少し男勝りで、でもたまに不意に見せる太陽みたいな無邪気な笑顔で笑う大好きだったA。

もちろん今のAも大好きだ。

敬語で話したり武術に長けたり前よりも儚く笑う笑顔は太陽というより華のようであったとしても、

性格が変わっても

どこかで俺たちと一線を引いていても

ホワイト家の狙いを隠していたとしても、

俺を殺そうとしていることを知っていたとしても、

俺はAが大切で

好きだ。

だけど、俺がこの気持ちを伝えたらAは困ってしまうだろう。

そんな顔をしてほしくて俺は君に告白したいんじゃない。

俺はお前のことが好きだからこそもっと知りたい。

お前が抱えている不安や苦しみを一緒に背負ってやりたい。

支えたい。

守りたいんだ。

もう一人で抱え込まないでくれ！

ジ「なあ、A・・・。」

風に髪を靡かせてゆっくりと振り返ったAはとても幻想的だった。

俺がじっと見つめているからか、Aは少し息をのみ見つめ返してきた。

ジ「お前の過去のことを教えてくれないか？」

俺がその言葉を口にした瞬間、

二人の時間が止まった気がした。

続く