大空に舞う白雪第２章 (ページ12)

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第60話　どこへ… ページ12

ジョットSIDE

雨の中町中を駆け回ってどれぐらいしただろう

少なくとも一時間は走った気がする。

雨は激しさを増す一方でどんよりとした雲も日が傾いてきているのか暗く一層暗くなってきている。

これだけ走ってもいないのならどこへ行ったのか。

あの小屋は真っ先に行ったし、思い当たるところは一通り行ってみたつもりだ。

町から出てしまったのか…

いや、それはない気がする。

となるとどこに…

「あら、ジョットさん！」

考えていても仕方がないと思い、もう一度回ろうと顔をあげたとき不意に背後から声をかけられた。

それは俺のお気に入りのレストランを経営している女性だった。

女「傘も持たずにどうしたんだい？こんなにずぶ濡れになってしまって…。」

自身が持っている傘をこちらに傾けながらハンカチで濡れた顔を拭ってくれた。

女「こんなに体も冷えて…。何かあったのかい？切羽詰まったような顔をしているけれど…？」

ジ「いや、少し人を探していて。プラチナブロンドの長い髪をした女性を見かけていないか？最近この辺りにきた二十歳の女性なんだが…。」

女「女の子ねぇ。何せ今日はこの天気で暗いから辺りが見辛いから。ちょっとあんた！この辺で若い子を見てないかい？プラチナブロンドの髪をした子らしいんだけど。」

女性が近くで野菜の仕入れをしていた夫に声をかけたが首を横にふる一方だった。

やはりしらみ潰しに探すしかないか…。

そう思ったとき八百屋の店主が声をかけてきた。

八「そんな感じの子なら見かけたぜ。」

ジ「本当か！？」

八「ああ、傘も持たずに虚ろな目でふらふら歩いているもんだから声かけたんだが、生返事でさぁ。」

ジ「どこへ行ったか分かるか！？」

八「確か、港の高台の方へ行ったと思うがな。」

高台か。

まだ探していなかったな…。

八「探してんなら早く行った方がいいと思うぜ。時期に嵐になるってさっき漁師のやつらが船を繋いでたからな。」

ジ「ああ、そうだな。ありがとう！」

店主と夫婦に頭を下げ、俺はAがいると思われる高台へと走り出した。

続く