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story27 ページ28

私の弱点は君

ーーー


翌日は受付初日。
研修は終わり、完全に今日から受付は結愛ちゃんと私だけ。


仕事ももちろん緊張するけれど、私は今日の夜のことの方が緊張していた。




「大丈夫?」

『え?』

「緊張がヤバいぐらい顔に出てるけど」




どうにかならないのかな、この何でも顔に出やすい性格…
その時、お客様が来社し、慌てて笑顔を作る。


って…




『ひ…、秀人!?』

「驚いた?ごめん。実は今日夜仕事で会えなくなったんだ。
それで、昼少し会えないかなと思って来てみたんだけど」




「心愛休憩入っていいよ」




隣に座る結愛ちゃんに話しかけられた。




『…ありがとう。結愛ちゃん』




夜会えなくなるからって、わざわざ昼に私の会社に秀人が来ることなんて初めてだ。
とりあえず会社の近くのカフェに入った。




『どうしたの?』

「何が?」

『だって私の会社に来るなんて、今までなかったから…』




こんな時、いつもと違う行動なんてしないで欲しい。
また疑ってしまう。




「心愛の受付やってるとこ、見て見たかったんだよ。
似合うね、制服」

『…ありがとう』




今日ずっと聞こうと思っていたこと。
夜に会えないなら、今聞くしかない。




『あのね?実はちょっと聞きたいことがあって…』

「その前に俺も聞きたいことがあるんだ。
この間、俺の車に乗った時、口紅落ちてるの見なかった?」




え?




「会社の同僚何人かでこの間、飯食いに行った時、助手席に乗ったコが口紅落としたらしいんだよね」




…本当、に?




『口紅って、…これ?』




私は持っていたバックからあの口紅を出して秀人に見せた。




「やっぱり心愛が持ってたんだ。もしかして…
俺の事、疑ってた?」

「…うん。ごめんなさい」




ちゃんと拾ったあの時に、聞いてればよかった。
なのに、疑うことしかしなかった。


最低なのは私だ。




『不安だったのいろいろ。最近秀人忙しくて前みたいに会えなくなって、家にも呼んでくれなくなったし…』

「不安にさせてごめん。だけど心愛が心配するようなことは何も無いから」

『本当に?信じていいんだよね?』

「俺が心愛を裏切るわけないじゃん。笑」




私の問いかけに秀人は普段通りの優しい表情でそう言った。
顔色一つ変えることなく。


きっと、昨日の卓くんの話を聞いていなければ私はこの秀人の言葉を信じていたかもしれない。






「1番最低な男は、顔色一つ変えない男」

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akimakixxx(プロフ) - kanadeさん» 私にも分かりません^^;笑 (2018年8月7日 21時) (レス) id: 85c669e5c3 (このIDを非表示/違反報告)
kanade(プロフ) - これから歩夢君とヒロインちゃんがどうなっていくのか楽しみです。 (2018年8月7日 21時) (レス) id: df4e83e4db (このIDを非表示/違反報告)
akimakixxx(プロフ) - kanadeさん» ずっと思考回路0でした(>_<;) (2018年8月7日 0時) (レス) id: 85c669e5c3 (このIDを非表示/違反報告)
kanade(プロフ) - 更新待ってました。 (2018年8月7日 0時) (レス) id: df4e83e4db (このIDを非表示/違反報告)
kanade(プロフ) - キュンキュンしながら読んでます。 (2018年8月1日 23時) (レス) id: c9d57448f4 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:am | 作成日時:2018年6月26日 1時

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