love at first sigh

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出会とは、
偶然の中の必然。

ーーー


『...えっ？』

｢だから、移動。来月から寶井は受付嬢ね。とりあえず明日から研修だから｣

『受付って、そんなぁ...』




さらっと朝から部長に伝えられた部署異動。
移動だから断るなんて出来ないけれど、絶対に無理だ。





｢いいじゃないか、受付。寶井が仲良い結愛ちゃんもいるんだし｣

『まぁ、そうですけど...』





結愛ちゃんは、私と同期入社の親友。
物凄く美人で、最初は専務の秘書に配属されたけれど、専務と関係を持ってしまって最近、受付に移動になった。


その事を知っているのは、上の極わずかな役職の人と、親友の私しか知らないこと。





｢丁度辞めるらしいんだよ、今月でもう一人の受付のコが。
結婚退職なんだってさ。｣

『でも、どうして私なんでしょうか？』

｢さぁ？｣





正直結愛ちゃんと同じ部署で働けるのは嬉しいけれど、受付なんて私には荷が重すぎる。





｢まぁでも、意外と向いてるんじゃないか？寶井も顔はそんなに悪くはないんだし｣





"顔はそんなに悪くはない"なんて、部長。
そんな微妙な言い方されて喜ぶ人なんているはずないよ。


パソコンの能力を買われて、この会社に大学を卒業と同時に入社した。


だから、今の仕事は凄く好きだった。
システムを作るのは根気のいる作業だけど、そのことだけに夢中になれるから良かったのに...


なのにやっぱり、受付なんて不安過ぎる。


これ以上部長に愚痴を言っても仕方ないから、渋々自分のデスクに戻る。
戻るとデスクの上のiPhoneが光って、LINEの表示を知らせていた。


LINEをタップすると、結愛ちゃんからだ。






結愛今日、19時にいつものとこで飲み!


心愛了解!






と一言返信する。
もしかしたら、結愛ちゃんが私を受付に推薦したのかもしれない。


ううん。もしかしてじゃなくて。きっとそうだ。
じゃないと、私が受付に移動だなんておかしいもん。


うちの社内には、受付に異動したがってる女の子がいっぱいいるって前に結愛ちゃんから聞いたことあるし。


普通なら移動届を出してるコが配属になるに決まってる。



今日会った時、聞いてみよう。

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