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story 29 ページ29

懐かしい記憶、
呼び起こす人。

ーーー


昼13時過ぎ、ウォーミングアップをする為に、
ユニフォームに着替えた選手達が、
私の目の前で、ベンチから出て来た。


その中で、私と同じ髪色をした彼が現れた。
まだ、染め直してなかったんやね。
オシャレな遥輝なら、
もう染め直してると思ってたのに…


久しぶりに見る彼、少し眠そうな顔してる。
会わないうちに更にいい男になったね、遥輝。


その中にも、さっきまで一緒にいた、
卓さんの姿も見えた。


卓さんは私の方をチラッと見て軽く微笑んで、
大田さんと、遥輝と、きゅんくん4人で、
楽しそうにじゃれ合い始めた。


打撃練習中、遥輝は大きな声を出しながら、
懸命にバットを振ったり、
時折座ってサボってみたり、
周りの選手とワイワイとはしゃいでる。


打撃練習が終わった遥輝達は、
チームのバッティング練習の、
打球に合わせて、走塁の練習をしたり、
ノックを受けたりしてる。


炎天下の下、卓さんがくれた、
ピーチカクテルが軽く酔わせる。


スマホの天気予報を見ると、
北海道でも31℃を超えてる。
さすがに日陰がない場所だとジリジリと暑い。
帽子と手持ち扇風機持ってくれば良かったと、
今更ながら後悔。


その中で、バッティングしたり、
白いボールを追い掛けてる選手は、
改めて凄いと思う。


とりあえずタオルを頭に乗せて、
サングラスを掛けて、
日焼け止めクリームを塗ってる時、


選手の皆がグラウンドを、
ランニングし始めた。
丁度、私の前を走って行く時に、
突然、キャップが私の元に飛んで来た。


それを受け取り、その矛先を見ると、
一人だけキャップを被ってない人が目に付いた。
背中には9の背番号を付けた卓さん。


その隣で走ってる背番号7の彼は、
私の方を見ながら卓さんと何やら話してる。


私に気づいて欲しい様な、欲しくない様な、
様々な感情が心を渦巻く。



"今日、Aちゃんが、
来よーこと、あいつ知ったら…"




と言った卓さん。
私が来てること遥輝に言ってないんだろうか?


なら、それならそれでいいのかも。


どんな理由にしろ、私はフラれた女だ。
そんな女がノコノコと来たとなれば、
相手は嫌な思いにするに違いない。




「喉乾かん?大丈夫?」




周りにいる人に気遣って名前を呼ばず、
二周目に差し掛かる時、
卓さんが声を掛けてくれた。


周りにいる選手皆の視線が、
私一人に向けられる。







もちろん、遥輝の視線も…

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m2(プロフ) - キュンキュンします^^* (2020年1月30日 16時) (レス) id: 85c669e5c3 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:haru | 作成日時:2019年8月20日 19時

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