不思議なお見合い ページ14
【主人公】
窓から吹く風が気持ちいい。
お気に入りの1LDKアパートで一通りの家事をしてから今日着ていく服を選ぶ。
最近は仕事が忙しく、今日はゆっくりしたかったのだけど、予定があるから仕方ない。
突然、私にお見合い話が出たのだ。
2週間前の電話で父は「とりあえず会うだけでも価値はあるから」とサラリと言ってのけた。
お相手は父の後輩の息子さんで、歳は30歳。
写真も経歴書もないのには違和感があったけれど、父の知り合いだから間違いはないと言う。
名前くらい教えてよ、と言ったけれど会ってから聞けの一点張り。
おかしいけど、父の様子から何か事情があるっぽい感じ。
先方が多忙な人のようで日時も指定された中から選ぶ感じだったし、かなり強引な感じで怪しかったけれど、素直に言うことを聞いたのには訳がある。
この間、あの伝説の羽生結弦を応対したときに、陰で後輩男子にされていた噂が胸に突き刺さっているのだ。
「どうせ29歳で彼氏もいないもんね。謙虚謙虚〜♪」
鼻歌交じりで自分に言い聞かせる。
少しは謙虚にならないと!
こんな私に声をかけてくれる人がいるんだったら素直に会ってみようと珍しく前向きになった。
約束の20分前に、その料理屋さんに着いた。
絶対に先に行っているようにと父から言われていた。
いつも父が使っている店らしく、父の名前を言えば全て問題なく事が進むらしい。
父の名前を言うと、すぐ個室に案内され、その様子を見てまた不思議に思った。
最初からテーブルいっぱいに料理が全て並んでいる。
部屋の隅にはアルコールからソフトドリンクまでの様々な飲み物とグラスがたくさん置かれている。
「?」という顔をしていると、父からこういう形にしてほしいと要望があったとお店の人が教えてくれた。
何か不足がある時だけ声をかけてくれればいい、会計も父が後で振り込みをすることになっているから時間が来たらそのまま帰って構わないと。
要するに、店は一切こちらに構わないってことだ。
なんだか本当に変だ。それに自分たちだけで間がもつかな・・。
っていうか、会うだけで価値がある人って一体何者?
その時突然スッと個室の戸が開いて、入ってきたのは先日私が大失態をおかしたあの、
伝説の羽生結弦だった。
「こんにちは。羽生結弦です」
「・・・・」
「あ、違った僕、ハブユヅルだった」
小首をかしげてふふふと笑っている。
何が起きているのか、ちょっとわからない。
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優里奈(プロフ) - らっきさん» わー!読者さんでしたか!嬉しい……(T_T)ありがとうございます!私ももっと萌えを入れたいんですけどね……(^^;頭が硬いせいか、理想とはかけ離れてしまってます(/Д`;新シーズン、どんな羽生結弦が見られるのか楽しみですね(^_^)♪ (2021年7月14日 23時) (レス) id: 59b863f10c (このIDを非表示/違反報告)
らっき(プロフ) - 優里奈さん» 優里奈さんのお話、お気に入り登録させていただいてずっと読んでますよ(*^^*)私は逆にスケートの試合模様とかそういうのが書けません( ;∀;)萌えを追いかけるしかない状況です。笑 羽生さんにハマると沼ですよね!笑 こちらこそ更新楽しみにしております(^-^) (2021年7月14日 21時) (レス) id: 4da1a124c4 (このIDを非表示/違反報告)
優里奈(プロフ) - ワールド2021で羽生くんにハマった者です(^ ^)素敵なお話ありがとうございます(*´`)私も羽生くんのお話書いてるけど、片想いの様子?気持ちの表現?が上手く書けなくて(;∀;)らっきさんのようにドキドキするお話が書きたい!と思ってます(*^^*)更新楽しみにしてます♪ (2021年7月14日 20時) (レス) id: 59b863f10c (このIDを非表示/違反報告)
らっき(プロフ) - だんごさん» はっ!ごめんなさい。返信からではなく普通にコメントで打ってしまいました。返信は↓です。 (2021年7月13日 17時) (レス) id: 4da1a124c4 (このIDを非表示/違反報告)
らっき(プロフ) - えっ!ほんとですか?とってもとっても嬉しいです!星が欠けてるから、つまらないんだと思ってたので、ほんとに嬉しい!ありがとうこざいます( ;∀;) (2021年7月13日 14時) (レス) id: 4da1a124c4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:らっき | 作成日時:2021年7月6日 14時