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こんな辛い幸せなんていらない。



定時丁度。

「お先に失礼します。」

そう声をかけると即座に部署から出た。


先輩方が残業してるのに申し訳ないような。

まあお昼返上で仕事したから残業がないわけだし。



ちょっとだけ罪悪感を抱えたまま

会社から出てビルの側に立ち、電話をかける。



「今、どこ?



、、、亜嵐。」


出会いは2年前。



お気に入りのBARが一緒で

マスターを通じて話すようになった。



彼からするとただの仲の良い女友達。そんな関係。





「どこだと思う?」




電話からは亜嵐の声のバッグサウンドに

車が走ってる音と都会特有のガヤガヤとした声。



「外?」


その時私の近くを通り過ぎて行った
救急車のサイレン。


亜嵐の携帯の中の音と重なる。



「迎えに来ちゃった。」



今度こそ携帯電話の中の声と

自分が聞き取ってる声がリンクする。


肩を叩かれ振り向くと電話を切って笑う亜嵐。



「バレたらどうするのよ。」


携帯をカバンの中にしまうとキッと亜嵐を睨んだ。


ここはオフィス街でもあり、


居酒屋もあるしデパートもあるし。


とにかく人が多い。


「大丈夫。案外堂々としてたらバレない。」


マスクを上にあげてちょっと周りを見た。



そんな簡単に考えているから


文春に取り上げられたんじゃないの?


その言葉は無理矢理飲み込んで

呆れたように笑ってみせた。



「今日はここから近いところにしたからさ、

迎えに来た方が早いなーって思って。」



聞けば、今日の飲みに行くところは私の働いている会社のすぐ近くだそうで。



私が務めている会社は中央通りのど真ん中。

都会に憧れを持つ若者なら

行きたいと思うようなキラキラしている表の場所で。



だけど一本通りを間違えれば裏の世界、

悪の溜まり場。なんて言われている。

昼でも危険な場所もあるみたい。



入社したての頃に裏の通りには絶対に入るなと

先輩に言われたこともあったっけ。




すぐ近くみたいだし そんな危険はないか、と

亜嵐の一歩後ろを着いて行った。

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設定タグ:GENERATIONS , 白濱亜嵐 , 片寄涼太   
作品ジャンル:恋愛
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作者名:ちゃんこなべ。 | 作成日時:2019年2月27日 9時

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