秋近し哀遠し

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「すげー好き」


そう愛の言葉を囁かれては深くなる口付けに頭の中は思考回路ショート寸前
また戦士の歌が流れていた


キスって触れるだけじゃないことは
もちろん知っていたけど…
こんなに気持ちいいだなんて。
脳天がぼーっとするぐらい


藤ヶ谷の甘い匂いに身体中を支配されそうになる、そんな感覚･･･


手を出すなんて、ルール違反だと思うけど。
でも時間は限られてるし、自分自身も求めてるから目を瞑ることにしよう。



そのまま、砂浜にゆっくり押し倒される。
俺の上には、藤ヶ谷が覆いかぶさってくる


心地よい。
両手は藤ヶ谷の手により繋がられ、
心臓が掴まれるぐらい、ギューッとする



「俺も藤ヶ谷が好き」そう言ってしまいたかったけど、それを言ったら泣いちゃいそうで
飲み込んだ。


真っ直ぐ藤ヶ谷の奥に輝いている月はかけてきている。


学園祭に誕生日、それを終えたら
俺はきっとこの「ドラマ」のような「パラレルワールド」から消えるんだ



その日は、たくさん藤ヶ谷とキスを交わし、
夜遅く帰宅した。
電車に乗る際、砂は払ったけど、残っていたようで
洗濯をする母ちゃんにコッテリと叱られた。



藤ヶ谷との一週間はたくさんキスをした。
学校でも人の目を盗んで、
開けたボタンはしっかりと留められて。


学園祭の準備もラスト一日となり
クラスで作った看板には美術担当の子たちの汗と涙の結晶というぐらい完璧に仕上がっていた


体育祭でやるリレーのバトン練習や
棒引きの練習、ホントにお祭りのごとく楽しい日々だった。


文化祭のダンスでは、
完璧な女装に扮した俺は自分で言うのもなんだけどホントに学校中の野郎共を虜にした気さえするぐらい、公演前も公演後も握手や写真の列が絶えなかった。
っていうか、写真を一緒に撮るだけで500円も払ってるこの人たち将来大丈夫？と頭ではブラックなことを考えつつも、顔は作られた笑顔でビッシリと貼られていた。


護衛のように、横尾さんか藤ヶ谷か玉森か二階堂が見てくれていて、列を整えていたけど。
結局、藤ヶ谷と玉森の元へは他校のファンが押し寄せ、横尾さんと二階堂がガードマンになってくれていた


･･･何かムカついたから
途中からボタンを開け、タイツを脱ぎニーハイソックスに変え、並んでるオトコに抱きついたら、そのオトコは鼻血を出し、倒れタンカーで保健室まで運ばれていった。


その後それに気付いた藤ヶ谷にすぐ、くっそ暑い長いパーカーを着せられることになったけど

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