秋近し哀遠し

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今朝の出来ごとはクラスだけでなく学年中に噂が広がったらしい。
他のクラスの宮田や千賀は何やら慌ててやってきた。
なぜか泣きつかれる始末。
千賀は二階堂だろ！
二階堂は付き合ってねーんだからいいじゃん！
宮田はごめん！
何か玉森借りることになっちゃったけど
でも、返すから。多分！
コッチの俺がその後どうするか知らないけど
今は俺の好奇心だから！



そして、親友だと思っていた大倉までもが面白がって見にきた。
人を好奇心の対象かのように楽しんで見てくる大倉。元はと言えば大倉が言い出したことからこの世界に迷い込んだんだからな！
責任とれよ！って、
人のせいにするなんて最低だな。俺



廊下を歩けば…
早く別れてとか何故か懇願される声がしたり
おめでとうと叫ばれたり
補習のくせにもう通常登校なぐらい人がいるんじゃねーか。
さすが強制だ。



玉森が変なこと言うから。
皆が面白がることまで考えてほしいんだけど
別にそんな布告しなくとも
誰も手出さないでしょ。



補習が終わると
千賀にはダンスの練習時にまた泣きつかれるし
いや、千賀は二階堂だから問題ないんじゃないか？
とまた思ってもずっと何やら呟いていた


「何かゴメンな、千賀」
「･･･別に、ひ、宏光が幸せならそれはそれで」


泣き崩れてる千賀の背中をポンと撫でると
千賀の泣く勢いが増していく
･･･おい。
俺が虐めてるみたいじゃねーか。
俺は無実だーーーー！



「･･･千賀、取り敢えず…これ」
「･･･ありがと、ニカ」


タオルを差し出す二階堂に
差し出されたタオルを受け取り顔にあてる千賀


やっぱり、ラブラブじゃん。



二階堂×千賀は揺るがないな


「おっし！頑張るぞー」


そこからダンスの仕上げまで行き
練習は順調に進み全てが終わって通しで合わせた後、二階堂がひとつ提案なんだけど…と小さく手を挙げた


「･･･一曲だけでも女装、してやらない？もちろん、ガヤと玉はさ、他校からの客が多いだろうし、女装はさせられないけど…センターのミツとか他のやつは女装もありかな、と」



じょ、女装･･･



そんなの･･･無理だろ、女装なんて



「知り合いの美容師のたまごがメイクしてくれるって言ってくれたからさ」


なにそれ、面白そう。
ふざけた女装は笑えないけど
本格的な女装ならしてみてもいいかも


「･･･そういうガチな」

「「ダメ！」」


ガチならいいけど…と言おうとしたら
目の前に二人が立ちはだかった。

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