秋近し哀遠し

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玉とはニカを通して仲良くなった
二年生となり二階堂とは部活を通して元々友だちだったから、自然とつるむ様になった。


二階堂は玉と一年の時同じクラスだったらしく、
これまた自然とつるむ様になり三人でいつも過ごしていた



課外活動も三人で抜け出し、サボったりして。
いつも緩い玉は、稀に頼りになる玉に変身する。
抜け出した後、転けて擦りむいた俺をおぶってくれた玉の背中は大きく感じ温かかった。


そんな玉が俺を･･･好き？
冗談だよな？
その先には藤ヶ谷もいる


藤ヶ谷の鋭い瞳が俺を見据え穿く


「ありがとう･･･ってことは、ミツ、いいの？」
「え？」
「俺のこと好きになる努力してくれる？」


･･･好きになる努力？
好きって、努力してなるものなのか？
好きって･･･恋って落ちるもの
知らぬ間に落ちてるもの



「何を真剣に、冗談だろ？」
「冗談でこんな事言わないよ」


はじめは冗談だと思っていたのに
玉の瞳は真剣そのもので俺の全身を射貫く



4つの瞳が刺さり逃げたくなる。
なに、これ！
これじゃまるで…


俺がモテモテみたいじゃねーか！
何でこうなった！？



「玉、待て」
「･･･、え、ガヤ？」


玉森の後ろにいた藤ヶ谷が玉森の肩を優しくポンと叩くと、玉は後ろに藤ヶ谷がいたことに気づかなかった様で肩を揺らし驚いていた



「･･･北山、俺もお前が好きだ。俺と付き合ってほしいし、俺のことを好きになってほしい」


玉森の横に並び、
真剣な瞳を俺に向ける


え、え、え、


なにこれ！


何が起きてる！？！？


イケメン二人に今、俺、告られてるの！？


罰ゲームだよな！？


ここまで来ると現実的じゃなく
罰ゲーム、


「･･･これ何かの罰ゲーム？」
「罰ゲームなわけねーだろ」
「そうだよ。流石にそれは酷い。ミツ。ってかガヤ邪魔すんなよ」
「抜け駆けしたお前に言われる筋合いねーよ」


･･･罰ゲームじゃない
何やら二人、言い合ってる


罰ゲームじゃなければ
何かパラレルワールドに入りこんでしまったのかも。
俺だけ紛れ込んでしまったんだ、きっと。


「ドラマ」を描きすぎて
「ドラマ」を題材とした「パラレルワールド」に。


現実の世界にはきっとこっちの世界の俺がワープしてしまったんだ、きっと。そうだ。



だって、こんなの有り得ない。



･･･俺は、きっと、


藤ヶ谷が好き。


でもこんなイケメン二人に告白されるチャンスなんてモテ期なんて二度と来ないし味わえない


それならばーーー･･･

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