太陽と向日葵。2 (ページ8)

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大くんの目に色はなくて、冷めきってた。

そんな彼の頭を撫でた

無意識に、勝手に手が動いてた。

『無理せんといてよ。』

大「ぇ…」

上目遣いで

涙を堪えてるのか目が赤くなってた。

その表情を見るのが辛くて思いっきり抱きしめた

『辛かったやんなあ、大くんも』

『無理して笑わんでいいよ』

『そんなの見たくない。』

不器用ながらにも伝えた言葉は大くんに届いて

私の肩に顔を埋めてしゃくりあげるように小さく震えて泣いていた

見てられなかった。

…苦しかった。

顔を反対に背ければ勝手に流れる涙

同情なんかじゃない。

お母さんのことも抱えながら、好きな女の子の事まで自分一人で背負い込んでなんで大くんばっかりこんなに辛い思いをしなきゃいけないのか、

それに

好きな人が私の知らない誰かを想って目の前で泣いていること、

色んな感情が混じってぐちゃくちゃになる

ただ一つはっきり分かることは

高嶺の花と呼ばれるその彼女を、
二人が歩んできたその過去を、
私は超えることが出来ない。

ただ、それだけ。

．

すすり泣く声が少しずつ小さくなったと同時に大くんは顔を上げた

私も同じように大くんの顔と正面に向いた

『落ち着いた？』

大「おん、だいぶ
…ごめんな。ありがと」

『…んーん、私はなんもしてへんよ』

まだ赤くなってる目を見て胸が切なくなる

『大くん…笑って？』

大「ぇ…？」

『初めて会った日に大くんが言ってくれた言葉。
大くんのおかげで私上手く笑えるようになった』

『やから大くん、…笑って？』

大くんは目線を下にずらして、笑窪と八重歯を見せて微笑んだ

『ふふ、嫌なこと忘れれたやろ？』

泣き腫らした目が見えなくなるほど笑顔で大きく頷いた。

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