12/31を一緒に過ごす 後編 ページ6
「マレウス！！」
私はとっさに飛び起きた。
窓からは明るい朝日が顔を照らす。鳥のさえずりさえ聞こえた。
「え？……夢？」
さっきまでマレウスに告白まがいなことをされて、浮かれていた自分が恥ずかしい。
そして、気づく………
そう、外が明るいのだ。鳥の声が聞こえるのだ
おかしいーーー
だって、茨の谷は年中明るくはならない。
今が夢なのか？
頬をつねってみるが、痛みは感じる。つまり、夢ではない。
「ここは、どこ…？」
私は近くにあったカーディガンを羽織ると部屋を飛び出した。階段をかけ降りて、玄関の扉を開ける。
そこは雪が積もる銀世界が広がっている。
「おはよう、A」
聞きたかった声がして、すぐに振りかえると玄関の扉にもたれるマレウスがいた。服装もナイトレイブンカレッジの制服ではなく、ゆるっとした部屋着のようなものだ。
「マレウス！」
「随分朝が早いな、まだ寝ていても良かったんだが」
「ここは、どこ！なんで私」
マレウスにしがみついて問いただそうとすると、背後から母が顔を覗かせた。
「起きたの？A」
「えっ、お母さん？」
マレウスの服をつかんだまま後ろに隠れた。
「Aが混乱するのも無理はない。あまりに頑なに嫌がるのでな、魔法で眠らせて連れてきた」
「そんな…。ちょっと、マレウス様？Aのことを説得してくださったと言ったじゃないですか？無理矢理だなんて」
私だけがこの状況をのみ込めていないようだ。二人は示し合わせたことに矛盾が生じて口論している。
「僕からも、挨拶に行くべきだと話したさ。でも、立派になるまでは帰りたくないとごねたのでな」
「……なんの話なの？」
二人だけがわかってて、私は分からない。こんなのは嫌。
「昨日のこと、どこまで覚えている？」
マレウスはすまない、と眉を下げると安心させるように抱き締めた。
「昨日？」
「そうだ。僕が君を娶るという話だが」
「え？」
「なんだ、刺激が強すぎて忘れたのか？少し切ない気もするが、何度でも言おう。大事なことだからな」
え？あれは、夢じゃないってこと？
マレウスは本当に私に告白をしたの？
「愛している、A」
「ふふふ、A良かったわね」
う、う……嬉しくない訳じゃない。でも、昨日のことが夢にしか思えなくて私は居たたまれなくなってしまった。
だから、つい゛ずっと、そばに゛を無言詠唱してしまったのだ。
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桜澤(プロフ) - レオナ先輩も…マレウス様も…大切だからこそ…思うことがあるし、守りたいんだなぁあ……愛されてる主人公…苦しみが少しでも和らぐといいな…といろいろ思いました。お久しぶりです！また何回も見にきますよー！(⌒▽⌒)わーい (2021年4月7日 11時) (
レス) id: 20b9b01cf5 (このIDを非表示/違反報告)
恋桜(プロフ) - ユノさん» ありがとうございます。更新は遅いですが、気長にお待ちください！ (2021年3月20日 19時) (レス) id: ae2ba33378 (このIDを非表示/違反報告)
ユノ - 分かりました、更新頑張ってください応援してます (2021年3月20日 14時) (レス) id: 2a665cb182 (このIDを非表示/違反報告)
恋桜(プロフ) - ユノさん» ユノ樣 閲覧ありがとうございます。イメージですか…。以前にも皆様からご要望を受けてはいるのですが、私は絵が不得意なもので、誰かにお願いしないと難しいです。どうぞ、好きなように想像してお楽しみください。 (2021年3月20日 14時) (レス) id: ae2ba33378 (このIDを非表示/違反報告)
ユノ - 夢主人公のイメージイラストが見てみたいです (2021年3月20日 14時) (レス) id: 2a665cb182 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：恋桜 | 作成日時：2020年11月3日 22時
